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すしログ 〜The Encyclopedia of Sushi〜

寿司、鮨、鮓…スシに魅せられた男のブログ。鮨が大好きだ!と確信して以来、全国に及ぶ食べ歩きを行っております。江戸前鮨ではシャリの美味しさと仕事との調和を重視。鮨と密接な関係にある日本料理や郷土料理の名店も紹介。実は若輩者ですが向学心と感謝の念を忘れずに続けていきたいと思います。

すしログ No. 145  おすもじ処 うを徳@東向島

店鋪情報 東向島 東京都

この度、季節ものの花山椒を楽しむべく訪問しました。

花山椒は「4月~5月が旬」と言われますが、

実際には旬は2ヶ月丸々ではなく4月中旬から3週間程度と非常に短い食材です。

晩春の更に最後を偲ばせる爽快な香りとキレのある痺れが魅力。

短い期間にこの花山椒を満喫するためには、手練れの料理人の許へ行くのが良い。

信頼する食通の方の仕切りで、信頼する小宮さんのお店に伺いしました。

 

こちらは以前ダイジェスト的に投稿しましたが、一流の食材を惜しげもなく使われる、

唯一無二のスタイルを持ったお店です。

基本的には「鮨屋」なのですが、料理のレヴェルが高いため、

僕は割烹・日本料理店だと考えております。

とは言え、シャリの進化が目覚ましく、行けば行くほどに好きになっております。

 

また、何度行っても飽きさせない構成力は素晴らしい。

中でもとりわけ何が凄いか?と聞かれると、鰻と鼈が凄い、とお答えします。

全体的に満足度が高いのですが、鰻と鼈を同時に出し、

共に素材の魅力を引き出しておられる腕前には甚だ敬服いたします。

 

この度頂いた料理は下記の通りです。

 

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佐島産鯛の子と白子

のっけから花山椒でスタート!

産地は福島県逢瀬。

関東屈肢の鯛の名産地である佐島の鯛の子と白子。

鯛の白子は旨味が凝縮されており、とろろんと舌に絡む。

出汁は鯛を殺しておらず、鯛の香りが充満しているところが心地良い。

 

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青森産鮟肝のスモーク

鮟肝をスモークするだけでなく、

与論島の石川小芋や新潟の車麩と合わせると言う、遊び心が粋。

燻蒸香は控え目で、鮟肝の甘みを楽しむ事が出来る。

尚、こちらでは毎回鮟肝が登場し、定点的に楽しめる。

あたかもレフェルヴェソンスにおける蕪のよう。

 

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京都・物集女産筍

芳醇な香りがバシッとあり、甘みが横溢。

繊維はジューシィにほどけ物集女の筍を活かした調理。

 

大分産城下鰈肝刺し、お造り、縁側

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城下鰈と言うチョイスが先ず素敵。

半日寝かせただけだが旨味が舌を喜ばせ、食感も心地良い。

縁側は強い脂に軽やかな酸味が混じり爽快。

 

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北海道・吉岡産紫雲丹

GW前の築地掘り出し物。

ミョウバンの収斂味は限りなく少なく、旨味、甘み、香りが秀逸。

一粒が大きく、これは嬉しい。

 

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玉子焼きの食べ比べ

一つは定番の車海老入り、もう一つは車海老に加えて鱧を用い砂糖は和三盆!

定番の玉子焼きは安定感ある都内屈指の美味しさ。

もう一方は甘みにどっしりした存在感があり、和三盆由来の濃厚な香りも具する。

そこに鱧のコクが加わり、独特のしっとりした食感を生み出し、香りは上質な蒲鉾のよう。

ちなみに、通常の車海老の玉子焼きに使用する砂糖は上白糖。

 

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琵琶湖産天然鰻の白子

鰻は1.8キロのシーサーペントのような魚体(笑)

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身は背開きにして地焼にするのだが、ありがたき副産物である白子を吸い物仕立てで。

鰻の白子を頂く機会は非常にレアだが、上品な甘みがあり、香りは穏やか。

天然鰻と言う事で泥っぽい香りを想起されるかもしれないが、実際は澄んだ香り。

白子だけでなく、肝焼きや骨煎餅も頂いた。

 

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琵琶湖産稚鮎の天麩羅

ふんわり、サクッと揚げておられ、淡い香りの稚鮎を楽しませてくれる。

身の中心に甘みと肝の苦味があり、季節の移ろいを感じる。

 

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信州産コシアブラの天麩羅

今やタラの芽を超える人気を集めるコシアブラ。

僕は20代の頃、春の山に山菜採りに行っていたので、

エグみが無く甘みと香りがたっぷりなコシアブラを頂くと、心がパッと明るくなる。

 

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長崎産鼈(養殖)と花山椒の椀

小宮さんの鼈の使い方は実に素晴らしい。

荒々しい鼈の旨味を前面に出してこられる。

花山椒の香りや風味が鼈の輪郭を強調し、時期ならではな贅沢な味わいとなる。

 

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鰻の白焼き

こちらも素晴らしい。

冒頭の通り小宮さんのスペシャリテだと思うが、ワンツーで来られるとは。

鰻は天然物のぷりぷりした食感を活かしつつ柔らかく仕上げ、

柔らかさ故に噛みしめた時に旨味がねっとりと絡む。

何よりも香りの活かし方が上品だ。

鰻専門店でないのに、見事と言う他無い。

ガス火から炭火に変えられたとの事ですが、ブレはありません。

今後より炭火の香りを付けられると、炭火焼き故の魅力が向上するかも。

 

そして、ここで本日のメインディッシュ、花山椒鍋。

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 鰹節と利尻昆布に加え、鮪節と牛脂、炙った鰻の頭も使うと言う、

無茶苦茶に贅沢な鍋!

しかも、庶民としては鍋なのにご主人が全て作ってくれるのが嬉しい(笑)

 

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1杯目(物集女の筍と山形牛)

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2杯目(新潟・新発田麩と徳島産鰻のしゃぶしゃぶ)

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3杯目(山形牛と物集女筍と徳島産鰻のしゃぶしゃぶ)

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〆の雑炊(コノコとウド)
もう、感慨無量で詳細を語れません…(笑)

 

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鍋と雑炊を頂いたにも関わらず、この後握りとなります(笑)

シャリは前から更に調整しておられ、赤酢は酸味を穏やかに用い、

米酢には無い旨味を一粒一粒に付与している印象。

塩気控え目なのがボリューミーなこちらでは嬉しく、

硬めの炊き加減なのでリズムを崩さずに頂ける。

しかと進化を見届けた次第。

 

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アマテガレイ

兵庫・明石産。江戸で言う真子鰈。

こちらを頂き、シャリの進化に「おっ」と思う。

 

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鮪大トロ

長崎・壱岐産。

濃厚ながらに嫌味が無い脂で、この期に及んで食欲を強める。

 

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小鰭

千葉・船橋。ナカズミサイズ(12,13cm)。

脂がかなり乗っているため、塩気を利かせ小鰭の風味を楽しませる。

京都流の調理でありながら小鰭を切らせないところに矜持を感じる。

 

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鮪中トロ

 

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鹿児島・出水産。

〆ており、香りも脂もさっぱりしている。

 

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小柱軍艦

北海道・苫小牧産。

歯応えが非常にしっかりしており、口腔から脳に抜ける音が快感。

しっかりと強い甘みもあり、これは秀逸な小柱。

 

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鮪赤身漬け

 

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太巻き

この度は超豪華スペシャルバージョンで、千葉勝浦産鰹の漬けに、

穴子、イクラ、玉子焼き、冬菇、干瓢、山牛蒡、葉山葵を使用。

素材だけ見ると、やりすぎではないか!?と思われるかもしれないが、

一体感は非常に高く、むしろ強い相乗効果が、これだけ頂いた後でも下世話にならずに至福に導く。

 

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さくらんぼの食べ比べ

山形県佐藤錦、山梨県高砂。手前が高砂。

水物でも絶対に手を抜かないところが素晴らしい…

 

出汁の塩梅については好みが分かれるかもしれませんが、

個人的には都内最強クラスのお店である事は間違いありません。

実に信じられないCPとストーリー性を持つお店です。

 

店名:おすもじ処 うを徳

シャリの特徴:改良を重ねておられ、赤酢をやや強めに使用し、硬さのあるシャリ。

予算の目安:15,000円~20,000円

最寄駅:東向島駅から170m

TEL:03-3613-1793

住所:東京都墨田区東向島4-24-26

営業時間:17:30~22:00

定休日:月曜

 

ご参考になりましたら幸いです!

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