すしログ 〜The Encyclopedia of Sushi〜

寿司、鮨、鮓…スシに魅せられた男のブログ。鮨が大好きだ!と確信して以来、全国に及ぶ食べ歩きを行っております。江戸前鮨ではシャリの美味しさと仕事との調和を重視。鮨と密接な関係にある日本料理や郷土料理の名店も紹介。実は若輩者ですが向学心と感謝の念を忘れずに続けていきたいと思います。

すしログ日本料理編 No. 52 かしわや闘鶏@福島(大阪府)

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前回ご紹介したお店、兵庫県の鶏一途さんと並んで関西で好きな鶏料理店です。

鶏一途と比べると、こちらの方が創作色が強い点が特徴となり、

「焼き鳥」の枠組みの中で創作料理を構築されているのかな?と感じました。

 

特に素晴らしいと思った点は、
1. 火入れの妙、
2. 薬味や調味料の使い分け
3. 圧倒的なコストパフォーマンス
の3点。

1については、焼き鳥とはそう言うものでは?と思われるかもしれないが、

こちらは更に一歩進んだ領域の火入れ=ご主人のヴィジョンを実現するための火入れとなっております。

見事なまでに部位によって火入れを変え、そこに合う味付けを施されております。

こちらで使用される味付けは「塩」と「タレ」だけではなく、

薬味や自家製調味料を使い分け、多様な味わいを展開されております。

例えば、笹身に用いる紫蘇は考えられないくらい極細であったり、

レバーにはミル挽きの山椒を用いたり、つくねにご自身でブレンドした七味的スパイスを使ったり。

ハッキリ言って、変態の領域です(笑)

頂いていて、「うわっ、マニアック過ぎるよ〜」と歓喜してしまいました(笑)

 

そして、驚くのがコストパフォーマンス。

完全に個性が確立された焼き鳥店でありながら、鶏もお酒も腑に落ちる価格設定で、

コースを頂いた後に追加、と言うスタイルであっても非常にお安く楽しめる点。

通常、個性が確立された焼き鳥店でこのように頼むと結構なお会計となるものの、

こちらは問題ありません。

この度、ハッキリ言って二人で食べる量を一人でやっつけたので、

8,000円程になりましたが、通常であれば6,000円台で済むかと思います。

料理の内容からすると、破格と言えるでしょう。

 

頂いていて、ふと思ったこと。

焼き鳥職人の炭との付き合いは修行40%、センス60%なのではないか?

眼と舌と鼻が絶対的に必要な料理なので、センスが占める比重が大きいように思います。

出会えて嬉しいお店でした。

 

頂いた料理は下記の通りです。

お酒は最初は日本酒で攻め、〆は焼酎。

旭菊の綾花純米、楯野川の純米大吟醸、六代目百合ロック。

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 和風ピクルス

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お通しなのですが、頂いてニヤリ。

野菜の扱いが巧く、アオサと山葵、クリームを混ぜたソースにセンスを見る。

野菜は、シメジ、ブラウンエノキ、うすい豆、

ミョウガ、玉ねぎ、ズッキーニ、ゴボウと多様。

酢の塩梅も良く、ご主人が食材を愛されているのだと感じました。

 

鶏刺し

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個人的にはオーダー必須かと思います。

胸肉はねっとりとした食感に甘みが漂い、特有の酸味は低い。

ハツは申し分の無い食感と香り。

レバー(白レバー?)も濃厚な旨味。

そして、焼きものでも希少部位なソリレスの刺身とは、非常に珍しい。

軽くタタキにしており、凝縮された香りが抜群!

出汁醤油は自家製と思われ、山葵は直前にすりおろし。

きめ細かいご主人の配慮を感じました。

 

この後、【地鶏串焼きコース7本】がスタート。

 

笹身

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素晴らしきレア!

笹身の瑞々しさを楽しませてくれる火入れ。

また、冒頭でも記載した通り、超極細切りの紫蘇にビックリ。

梅肉も良い塩梅で、尖ったところが無く爽やかそのもの。

 

レバー

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これはミディアムレアと言える火入れだが、レバーの旨味を楽しめる。

個人的にはレバーはレアが好みなのだけれど、

これはレバー本来の香りを楽しませる仕事だと感じる。

ミルで挽いた山椒が良い仕事。

 

せせり

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繊維のほどけ加減が良く、小気味良い食感。

そして、程良い脂が滲み出て、中心部はとろっとした絶妙な火入れ。

炭の香りの付け方も上品だ。

 

こころ(ハツ)

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中心はレアに仕上げ、シャクシャクした食感。

これを頂き、ご主人の技術に驚嘆を覚えた。

タレは甘みと醤油が良いバランスで、キリッとした後に甘みで抱擁する印象。

荒削りの胡麻をまぶしているところも良い。

 

塩つくね

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つくねの美味しさもさる事ながら、付け合せの調味料に感銘。

胡麻、青海苔、山椒、ピンクペッパーなどを混ぜた自家製の七味的スパイス。

うーむ。香りが良い。

 

砂肝

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超ジューシィで、歯切れが絶妙。

食感と音が頭に残るほど(笑)

 

手羽

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コースの最後は脂の多い手羽をタレで。

その前が砂肝である点も含めて、素晴らしいストーリー性です。

ただ、美味しくて、当然物足りないので、追加。

鶏の串1本と、野菜を2品、鶏丼。

焼き鳥店では、やはり野菜も食べねば真価が分からぬ。

 

もも

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パワフルな鶏故に、塩気と焦げの香りを強めに利かせている。

しかし、驚嘆に値するのが、串一本の中でも部分部分で火入れを変えている点。

ザ・変態!

 

泉州水茄子

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表面をパリパリにして水気と旨味を封印し、食感をとろりと。

香り良く、甘みが縦横無尽に舌上を踊る。

また、蕗味噌が良い。

蕗の薹を粗微塵切りにしており、今の時期でも香り高い。

しかし、泉州水茄子とは。

生で頂くのがベストだと思っていたが、必ずしもそうではない事を教えてくれた。

 

島オクラの炭焼、おぼろとともに

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島オクラは非常に力強いオクラ。

元々の食感はタフだが、隠し包丁を入れて歯切れを良くしている。

独特の苦味とおぼろ(昆布)の旨味が合わさって旨い。

 

鶏丼

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鶏の旨味はもう敢えて特筆すべきところではないだろう。

鶏に加えて卵が旨く、黄身は超濃厚。

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脂の旨味、卵やタレの甘み、香りが一体化し、完成度の高い焼き鳥丼だが、

米の存在にも気が向く。

甘く、旨い。

餅米をブレンドしているのだろうか…ねっとり感があり、具材との相性が良い。

 

総じて、大満足。
こちらは、「ルール」があり、

「予約時間に全員揃って入店すること」

「携帯電話禁止」

「香水・整髪料強い方の入店禁止」

などがあるが、気負う事は不要。

僕も訪問の際、どんだけストイックなお店なんだろう?と少し緊張していたが、

ご主人は良い人で、職人。

純粋に美味しい鶏をお客に出したい一心ゆえのルールだと感じました。

しかも、全て僕も同意するところであり、

明文化されていないお店でも皆人守るべき事項。

逆に、明文化しないとやる人間が増えているのか…と思うと、

暗澹たる気持ちになります。

マナーを守ってお互い美味しく頂きたいものです。

  

店名:かしわや闘鶏(かしわやしゃも)

食べるべき逸品:火入れと独自調味料で紡ぐ焼鳥

予算の目安:6,000円~

最寄駅:福島駅から30m

TEL:06-6452-4705

住所:大阪府大阪市福島区福島7-5-20 びびる1F

営業時間:18:30~24:00 ※入店 22:00迄 ※ 火曜のみ19:00〜

定休日:月曜、不定休

 

ご参考になりましたら幸いです!

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