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すしログ 〜The Encyclopedia of Sushi〜

寿司、鮨、鮓…スシに魅せられた男のブログ。鮨が大好きだ!と確信して以来、全国に及ぶ食べ歩きを行っております。江戸前鮨ではシャリの美味しさと仕事との調和を重視。鮨と密接な関係にある日本料理や郷土料理の名店も紹介。実は若輩者ですが向学心と感謝の念を忘れずに続けていきたいと思います。

すしコラム No. 1 鮨屋の敷居について

ずいぶん仰々しいタイトルを付けましたが、ライトに書きます(笑)

 

このような文章を書こうと思った理由は、

最近、友達からとても頻繁に、

「鮨屋って敷居が高くない?」とか、

「鮨屋でどう振る舞えばいいの?」と尋ねられたり、

果ては「鮨屋は怖そう(笑)」と言われることが多いためです。

鮨を愛する者として、みんながもっと気軽に鮨店に行けたら良いなという願いを込めて書くことにしました。

 

率直に言うと、確かに鮨店は他の料理店に比べると、緊張感を覚えるお店かと思います。

お店はキリッと引き締まった雰囲気であることが一般的で、

カウンター越しに凛とした職人さんと向き合う必要がある…。


しかし、僕はその「緊張感」こそが、鮨店の魅力の一つかと思っております。

ひとたび伺って慣れてしまえば、確実に緊張感はほどけてゆき、

むしろ程良い緊張感が不思議なほど非日常的な安らぎを感じさせてくれます。

さらには、料理される光景を全て見ることが出来て、

カウンター越しにシェフと直接コミュニケーション出来るなんて、

考えようによっては素晴らしい料理店ではないでしょうか?

 

確かに鮨店には、強面のご主人や職人気質のご主人もおりますが、

美味しいと感じたところで素直に「美味しい!」と言えば、

大体上手くいくもんです。

「美味しい」という言葉はマジックワード。

「美味しい」と言われて喜ばない料理人なんて、料理人ではありません。

 

さて、具体的な話になりますが、

鮨店にはどう伺って、どう頼めば良いのかをお伝えしたいと思います。

 

まず、「伺う前に予約をした方が良いのか?」という質問については、

僕は基本的には少なくとも2~3日前までにはした方が良いと思います。

鮨に使われる上質な鮨種(魚、貝)は漁獲量が少なく、非常に高価なものです。

しかも生の状態で出すのではなく、「仕事」、すなわち調理と調味を施すため、

提供には多大な手間と時間がかかるものなのです…。

そこで、前もって予約をしておけば、お店の方も安心ですし、

何よりも確実な仕入れを期待できるので、

自分の満足度も上がるのではないかと思います。

 

それでも、「予約をしないで気軽に食べたい!」と言う欲望に率直な方には、

ランチ鮨をオススメします。

鮨店は席数が少ないので、流石に訪問前にお電話をした方が良いとは思いますが、

ランチ鮨を提供されているお店はある程度の客入りを見込んでいるお店なので、

夜に比べると訪問のハードルは低いと言えます。

他のお客さんもカジュアルに来られていることが一般的なので、気楽です。

そして、コスト的にも夜に比べると廉価。

夜と同じシャリと仕事(=〆る、漬ける、煮る等)を味わえば、

お店がどのような握りを出すのか手軽に確認することが出来ます。

ランチで気に入れば、夜に再訪するのも一興。

 

次に、「どう頼めば良いのか」については、幾つかパターンがあります。

鮨店には昔から「お任せ」、「お決まり」、「お好み」が存在します。

イメージ的に「お好み」で頼まないといけないように思っておられる方が多いですが、

僕は「お決まり」をオススメします。

「お決まり」とは8貫+巻物くらいを小さいコースにしたものです。

こちらを頂けば、そのお店の味やスタンスが分かるので非常に便利です。

握りのタネのストーリー性については別の機会に書きたいと思いますが、

「お決まり」であれば値段が決まってもおりますので、まずは、

「お決まりを頂けますか?」ないし「一人前でお願いします」と伝えるのがベストです。

「お決まり」で慣れてきたら、「お好み」に移行すれば良いように思います。

 

次に、鮨を頂く際の細かい注意点について書きます。

 

まず「手で食べたほうが良いのか」それとも「箸で食べたほうが良いのか」については、

「どちらでも良い」が僕の結論です。

昔の文献を紐解くと、食通と言われる人たちでも意見が分かれていたようです。

なので、気にせず自分の好きな方法で食べるのがベストです。

ただ、個人的には、抵抗がなければ手をオススメします。

単純に、手の方が食べやすいので(笑)

また、女性の方がグルメな男性に連れて行ってもらった際は、是非とも手で食べてください。

相手の目に美しく、格好良く映るのではないかと思います。

(グルメでない男性に誘われた際は箸がベターですw)

 

そして、頂く時に「醤油を付けるものか?」と疑問を抱く方もいるかもしれませんが、

表面に煮キリ醤油が塗ってあれば、付けるのはNGです。

卓上に醤油差しが置いてあるケースもありますが、それは夜の酒肴(刺身)用です。

なので、お店に入ってすぐさま醤油を注ぐのではなく、最初の一貫を見て確認して下さい。

煮キリが塗られていたら、「あ、不要なんだ」と。

ちなみに、醤油を付けるお店であった場合には、

シャリ(酢飯)ではなく、タネの方に付けてください。

シャリの方だとバラバラにほどけてしまいますので…

 

最後に、鮨店でのコミュニケーションについて書きます。

個人的に鮨店で最もやらない方が良いと感じることは三点あり、

「うんちくを語ること」、

「隠語を多用すること」、

「他店の話を無用にすること」となります。

この中で「隠語」については、食通ぶった年配の方でも使われている光景を見ますが、完全にNGです。

最も聞くのが、お茶→「アガリ」、お会計→「おあいそ」。

お茶のおかわりを「さしかえ」と言ったり、醤油を「ムラサキ」と言っている人もおります。

「ムラサキ」などは職人さんすらあまり言っておりませんが、妙に使う人がいて不思議です。

隠語はあくまでもお店の中の人の用語なので、使わない方がベターです。

使っても良い(=今や一般化している)隠語としては、

酢飯→「シャリ」、生姜→「ガリ」、鮨種→「タネ(ネタ)」くらいかもしれません。

 

以上、少々長々と書きましたが、まずはこれくらいを押さえていれば、

初訪問の鮨店でも問題ないのではないかと思います(他は香水を絶対に付けないこと!くらいでしょうか)。

少しでも参考となり、鮨店の魅力に気づいて頂ければ、心から嬉しく思います。

 

ご参考になりましたら幸いです!

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