すしログ 〜The Encyclopedia of Sushi〜

寿司、鮨、鮓…スシに魅せられた男のブログ。鮨が大好きだ!と確信して以来、全国に及ぶ食べ歩きを行っております。江戸前鮨ではシャリの美味しさと仕事との調和を重視。鮨と密接な関係にある日本料理や郷土料理の名店も紹介。実は若輩者ですが向学心と感謝の念を忘れずに続けていきたいと思います。

すしログ日本料理編 No. 74 なかがわ@築地

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数年前に訪問して以来、久々の訪問となりました。

師匠である早乙女親方のいらっしゃるみかわ是山居にお伺いした際、

なかがわさんの天麩羅を改めて頂きたいと強く感じた次第です。

なかがわさんは5,400円の梅(お昼のみ)に始まり、

夜でも7,560円のコースがあって一流の天麩羅店としては非常にリーズナブル。

ただ、この度は真骨頂を体感すべく、時価のおまかせを頂きました。

 

頂いた感想としては、幾つかのタネは師匠を超えているのでは?と驚嘆を覚えた次第です。

或いは、早乙女親方は近年、火入れを変えた(ご自身の好みが変わった)との情報もありますので、

中川さんはより原初の早乙女親方の仕事を色濃く伝えていると言えるのかもしれません。

何れにせよ感動的な火入れのタネに出会え、心からの満足を抱きました。

衣のコントロールも巧みで、ふんわりに仕上げつつ軽やかなもの、

香ばしくサクッと仕上げているものなど、緩急に富んだストーリーを編まれております。

技術のみならずタネのクオリティも高く、少々お値段が行くコースですが、満足度は非常に高かった。

季節を表すタネとの出会いは、運と仕入れ次第なので、やはり真骨頂を味わうならば【おまかせ】だと思います。

(それでも他店に比べると良心的ですし!)

 

こちらの日本酒は品揃えが絞られており、

冷酒は1種類で佐賀県・窓乃梅、常温は高知県・菊水。

窓乃梅はスッキリした味わいで甘みがごく弱く、

苦味と香りが主張し過ぎずに底を支えているため、天麩羅を壊す事無く頂けました。

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サイマキ(2尾)

一口で感銘を覚える素晴らしい火入れ。

レアな状態で旨味を活性化している。

あたかも肉におけるレアのように、中心部は半生だが熱を通し旨味を活かし、

甘みが非常に強く感じられる。

海老にレアな火入れを求める方ならば、親方を超えていると感じる仕事だろう。

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サイマキ頭(2尾)

実に香ばしい。

頭までも柔らかな火入れで、外はカリッと仕上げつつ、

中には瑞々しさを内包している。

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周囲の身は強く凝縮されつつも、中心部はほろりとほどける。

高温で長時間揚げ、過脱水寸前に迫る火入れ。

噛み締めてサクッと弾けた瞬間の香りは堪らない。

雄々しい鱚の仕事と言う印象。

当たり前だが、家では決して再現出来ない火入れである。

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蕗の薹

食感の二重奏が面白く、ふんわり、とろっと段階的にほどける。

そして、香りは炸裂し、心地良い苦味が充満する。

大ぶりの蕗の薹の魅力を引き出す仕事。

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海胆の大葉挟み

サクサクした大葉の衣を噛み締めると、じゅわトロッと海胆が滲み出る。

これは凄い揚げの技術!

好みを差し置いても、師匠を超える火入れである。

海胆は明礬の収斂味があるものの、甘みはしっかりしていた。

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墨烏賊

ミディアムレアに仕上げ、墨烏賊らしい食感を活かす。

それでいて、スパッと切れる生の食感とは異なるため、鮨とは異なる魅力がある。

淡白な墨烏賊に衣の香ばしさが付加され、牽引する力を帯びる。

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白魚

身の厚い白魚で、ふんわり、サクッと揚げている。

ラッキーにも子持ちの白魚も混じっており、季節の移ろいを愛でる事が出来た。

大きな魚体の魚だと子を持つと一気に魚味が落ちるが、

小さな魚体の魚の場合、影響が少なく、食感が増えるため嬉しく感じる。

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タラの芽

強めに脱水し、香りと苦味を凝縮している。

これはこちらの流派ならではの匠の仕事。

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虎河豚の白子

非常に上質な白子で、超濃厚。

舌にトロトロとまとわりつく粒子は官能的。

親方も「もう最後の最後」と仰るクオリティの白子で、

出会えたのは僥倖と言わざるを得ない。

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メゴチ

特有の強い香りと旨味がしっかりと凝縮されている。

白子の後に出されるとは、嬉しい味わい。

非常に良い流れでメゴチを頂いた。

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穴子

これは白眉。

走りの江戸前穴子であるが、産地を聞かずとも、頂けば分かる。

野趣溢れる香り、どことなく土っぽい香りは江戸前の証!

しかも、その個性が仕事によって引き立てられている。

身は必ずしも厚くないが、香りと旨味を十分に引き出している。

カリッ!ホロホロ!トロトロと三重奏を織りなす食感も秀逸。

力強さと繊細さを同居させた穴子である。

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椎茸

香りがぶわっと広がり、食感は艶めかしい。

やはり職人さんの腕は野菜を頂けば明白。

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サツマイモ

甘みと香りが凝縮されている。

甘いだけの一般的なサツマイモと大きく異なる。

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茄子

全てに於いて衣と野菜の食感のコントラストが良い。

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アスパラガス

繊維のほどけ方ととろけ方が凄いアスパラ。

甘みがジューシィに横溢する。

尚、師匠のお店では野菜は4種から2種を選ぶ選択性である為、

全て頂けるのは嬉しい。

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お食事

かき揚げ丼と天茶を選べる。

タレと味わい、赤出汁を頂きたかったので、かき揚げ丼をセレクト。

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香の物

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赤出汁

大きめの蜆をたっぷりと用いている。

そして、しっとりとした火入れなので実に優しい味わい。

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かき揚げ丼

これは師匠ともども最高の出来栄え。

柔らかな甘みが舌に広がり、小柱の香りがぶわっと鼻孔をくすぐる。

シャックシャクな身を噛み締めると、甘みが炸裂しタレと協奏する。

絶品である。

 

今度は江戸前穴子がピークになり、銀宝も出る初夏に伺おうと思います。

 

店名:なかがわ

食べるべき逸品:四季を表す江戸前の一級食材を用いた、みかわ流の天麩羅。

予算の目安:5,400円〜20,000円

最寄駅:築地駅から130m

TEL:03-3546-7335

住所:東京都中央区築地2-14-2 築地NYビル1F

営業時間:11:30~13:30、17:00~22:00

定休日:月曜

 

ご参考になりましたら幸いです!

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