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すしログ 〜The Encyclopedia of Sushi〜

寿司、鮨、鮓…スシに魅せられた男のブログ。鮨が大好きだ!と確信して以来、全国に及ぶ食べ歩きを行っております。江戸前鮨ではシャリの美味しさと仕事との調和を重視。鮨と密接な関係にある日本料理や郷土料理の名店も紹介。実は若輩者ですが向学心と感謝の念を忘れずに続けていきたいと思います。

すしログ日本料理編 No. 66 まき村@大森

大森にあってミシュランの☆をキープしている日本料理店。

三ッ星獲得店の中では唯一の郊外にあるお店です。

訪問したいと思いつつ予約ハードルの高さで訪問出来ずにおりました。

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お店は落ち着いた住宅街にあり、外観から既に寛げそうな雰囲気を発しております。

重厚な雰囲気は無く、店内に入ると尚更温かみのある空間です。

女将さんの接客も非常に快活で、緊張感が皆無なところがお店の魅力だと感じました。

 

料理を頂いた感想としては、
1. 高級食材を多用する事無く総合的な満足度を高める点、
2. 定番料理にオリジナリティを与える事に成功している点、
3. 京料理をベースに東京ならではな味わいに昇華させている点
が強く印象に残りました。

 

すーっと身体に馴染み、喜びがじんわりと高まる料理。

冒頭からあっと驚くような料理ではないですが、それが実に良いです。

鮨も日本料理も高級食材をバンバン出すお店が脚光を浴びがちですが、

僕は「素材」よりも徹頭徹尾「仕事」派です。

まあ、好みの問題ですが、こちらは三ッ星でありながら、

高級食材に走り仕入価格をお客に転嫁しない点は稀有な魅力だと思います。

ご主人の人柄なのでしょう。

実に理にかなった料理です。

昔の価格(13,000円)から大きな値上げをしていない点も凄いです(現在17,000円)。

 

この度、頂いた料理。
お酒:ブランデー梅酒
前菜:フォアグラゼリー、河豚の煮凝り、赤ワイン漬け小梅、玉子、牡蠣の海苔巻き
先付:針魚の昆布〆
椀もの:車海老と玉子豆腐
向付:虎河豚の薄造り
向付:鮪の赤身、中トロ、大トロ
焼きもの・揚げもの:グジの若狭焼き、タラの芽の天麩羅
八寸
焼きもの:虎河豚白子の焼きもの
煮もの:牛肉サーロインのすきしゃぶ仕立て
お食事:魚沼産コシヒカリ、鯛茶漬け、香の物
水菓子:白ワインゼリーとマンゴー、せとか、苺

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日本酒は思いのほかバリエーションがあり、高級な銘柄もありましたが、

料理の流れに合わせて以下を選択しました。

日高見純吟、澤屋まつもと純米大吟醸、菊姫山廃純米。

各々900~1,200円と言う価格設定は極めて良心的です(高級酒でも2,000円)。

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お酒:ブランデー梅酒

紀州南高梅を用い、甘みを抑えたテイスト。

清涼感がある。

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先付:針魚の昆布〆

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針魚は竹岡産。しっかりと〆ているが、梅肉餡の味わいがバランスを整える。

実に柔らかな酸味で梅肉の使い方が巧い。

鱧にしてもそうだが、梅肉餡は酸味や塩気のコントロールが要である。

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前菜

河豚の煮凝りは非常に完成度が高い。

河豚の自然なゼラチン質のみで固めているようで、

ねっちりとした塊を舌に乗せると、いじらしくじゅわりととろけ、

旨味をたっぷりと滲ませて消える。

鰹の出汁も用いており、生姜の使用量も丁度良い。

フォアグラゼリーは、嫌味なくフォアグラの風味を使用。

牡蠣の海苔巻きは、牡蠣の風味を凝縮しており、海苔が親近感を高める。

玉子焼も、みっちりしつつしっとり感もある、上質なスポンジ的食感。

こちらの料理の味覚的特徴として、甘みも比較的用いる印象を頂く。

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椀もの:車海老と玉子豆腐

吸い地は鰹出汁をキリッと利かせ、塩気は穏やか。

車海老の甘みと玉子豆腐の甘みのコントラストが素晴らしい。

共に甘みの強い椀種を用いると言うのは面白い。

あしらいのうるいが春を予感させる。

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向付:虎河豚の薄造り

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豊後水道の虎河豚。

実に旨味がたっぷりで、旨い。

そこで、聞いてみたところ、1.6kgのモノを3日寝かせたとの事。

付け合せの紅葉おろしも上品。

酸味が弱く、辛みは極力抑えられており、旨味が強い点が特徴だ。

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向付:鮪

壱岐産。一流鮨店のモノに比べると流石に落ちるものの、

旨味に加えて強い酸味もあり楽しませて頂いた。

中トロのバランスが良く、大トロも脂がサラッとしていた。

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焼きもの・揚げもの:グジの若狭焼き、タラの芽の天麩羅

グジは山口産。「若狭焼き」を謳っているが、オリジナリティのある火入れ。

繊維質はしっとりしており、特に中心部はジューシィにほどける。

一見さっぱりだがゼラチン質の旨味は強く、上品な若狭地がグジの甘みを活かす。

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八寸

控え目な品々だが、味は実力派揃い。

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根室の生海胆と生湯葉、噴火湾の甘エビ、イカのおかき揚げ、

ほうれん草ともやしのとも和え、どんこの白和え、浅蜊と蕗の薹のマリネ。

甘エビに掛けられたジュレが美味。

これも梅の使い方が巧く、針魚の昆布〆とは異なる出汁の塩梅。

聞いてみたところ、数種類の梅を用いて煎り酒を造り、

梅肉は裏ごしし、鰹出汁と合わせて3ヶ月寝かせているそう。

調味料一つ取っても、圧巻の仕事。

イカのおかき揚げは素朴な煎餅的な香りとイカの甘みが堪らない。

どんこの白和えは、炊いたどんこの甘みと食感に加えて、

シンプルな味わいの白和えソースが絶妙。

浅蜊と蕗の薹のマリネは、蕗の薹の苦味が鋭く走り、

浅蜊の旨味が巧くまとめる。

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焼きもの:虎河豚白子の焼きもの

問答無用の美味しさ。

特徴としては、熱すぎない点。

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煮もの:牛肉サーロインのすきしゃぶ仕立て

出汁主体の割下で、甘みが控え目な点が良い。

白菜の甘みとシャキシャキ感が実に魅力的。

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お食事:魚沼産コシヒカリ、鯛茶漬け、香の物

ブランド米である魚沼産の中でも特に良い米を厳選し、

伊賀焼きの鍋で炊き上げるご飯。

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米自体がメインとなり得るほどに美味しい。

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とにかく米の甘みと香りが良い。

さらに、甘みを排除し胡麻の風味を軽やかにした漬けダレの真鯛と共に茶漬けで頂く。

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個人的に鯛茶漬けと言う料理は真鯛の美味しさを最大限引き出す料理とは考えていないが、

こちらの鯛茶漬けは絶品と言える。

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淡路産の鯛には旨味だけでなく香りもあり、掛け出汁が秀逸。

水出しの真昆布に鰹節を少量合わせ、米と鯛を殺さずに引き立てる。

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香の物で印象的なのは、人参のいぶりがっこ。

極薄切りにする事で強い主張を抑え、人参の甘みと香りを楽しませてくれる。、

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おこげ

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水菓子:白ワインゼリーとマンゴー、せとか、苺

白ワインゼリーはワインの香りをしっかりと付けており、各果物も美味。

さっぱり味のヨーグルトムースが繋ぎとなり、控え目ながら印象的なスイーツになっている。

 

季節を変えて再訪したいと、心から思いました。

 

店名:まき村(まきむら)

予算の目安:夜懐石15,000〜18,000円 ※素材によって変動し、今回は17,000円でした

最寄駅:京急大森海岸駅から400m、JR大森駅から750m

TEL:03-3768-6388

住所:東京都品川区南大井3-11-5 MAKIMURA BLD 1F

営業時間:18:00~22:00

定休日:日曜、祝日の月曜

 

ご参考になりましたら幸いです!

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