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すしログ 〜The Encyclopedia of Sushi〜

寿司、鮨、鮓…スシに魅せられた男のブログ。鮨が大好きだ!と確信して以来、全国に及ぶ鮨の食べ歩きを開始。江戸前鮨ではシャリの美味しさと仕事との調和を重視しております。江戸前鮨だけでなく、上方の寿司や郷土寿司も大好きです。鮨と密接な関係にある日本料理、郷土料理の名店も紹介していきたいと思います。

すしログ No. 140 元祖大東ソバ@牧志(沖縄県)

郷土寿司 店鋪情報 沖縄県

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今回沖縄を訪問する際、2つのテーマを決めました。

1つは今までアップしてきた【琉球料理】で、

もう1つは【大東寿司】となります。

【大東寿司】とは、鰆などの魚を調味料に漬けた郷土寿司となりますが、

これは伊豆諸島に見られる「べっこう寿司」と瓜二つの調理法、見た目をしております。

僕は伊豆大島で【べっこう寿司】を頂いたことがあるので、

興味を抱かずにはいられませんでした。

 

そこで、調べてみると、【大東寿司】の誕生には興味深い歴史的背景があり、

南大東島の開拓史と密接に関連がありました。

やや話がそれますが、エピソードをご紹介いたします。

 

【大東寿司】には別名があり、「ボロジノ寿司」と呼ばれております。

これは、1820年に大東諸島をボロジノ号に乗っていたロシア人が発見した事に起因し、

大東諸島をボロジノ諸島と呼ぶための別名のようです。

 

南大東島を始めとする大東諸島が日本の領土となったのは、1885年。

その後、島は非常に独特の発展を遂げ、1946年にアメリカ軍政となるまで、

なんと民間企業によって所有されておりました。

町村制は特例的に適用されず、学校や郵便局、病院などの公的な機関も全て社有で、

島民への給与は島のみで流通する企業の貨幣。

島民はほぼ全てが大日本製糖の「小作農」という、

いわば「植民地」のような状態が続いていた模様です。

 

そして、そのような状況の発端となったのは、八丈島出身の実業家である

玉置半右衛門が1910年に開拓を開始したこと。

その後、島の権利は東洋製糖、前述の大日本製糖へと移りましたが、

企業による絶対的なヒエラルキーが存在する島であったことには、衝撃を禁じ得ません。

しかも、島民には八丈島系住民と沖縄系住民がいたため、極度の軋轢があったそうです。

そのような表の歴史に現れない島の歴史がある中で、

八丈島から【べっこう寿司】が渡り、南大東島に定着したのは間違いないと思われます。

 

…上記の通り、非常に特殊な歴史を持つ島ですが、

今や日本では珍しい国産ラムを作るグレイスラムが設立され、

明るいイメージとなっております。

グレイスラムの【COR COR(コルコル)】は有楽町のわしたショップでも購入する事が出来ますので、

無添加、無着色の美味しい味わいを楽しまれてはいかがでしょうか?

www.rum.co.jp

 

さて、【大東寿司】に話を戻しますと、南大東村のサイトでも、名物のトップに掲載されております。

「各家庭ごとにその味わいには違いがある」と記載があり、一般的な郷土寿司であることが分かります。

 

那覇市内で頂けるお店はぽつぽつとあるようですが、

今回は時間と場所の都合で、こちらのお店を選びました。

もう一つの名物である【大東ソバ】も頂けるところもポイントです。

 

お店は国際通りの裏手にあり、外観は年季が入っております。

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おばちゃんがお一人で切り盛りされており、お客さんも結構入っておりました。

メニューを見ると【大東寿司】と【大東ソバ】のセットがありましたので、そちらを頼みます。

【大東寿司】は人気なようで、カップルがシェアしていたり、女性のお一人客もセットを頼まれておりました。

 

魚はオーダーに合わせて漬けこまれるようで、先に【大東ソバ】が届きました。

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頂いてみると、出汁が幾つも取られているところが特徴的。

豚、鶏の後に鰹の旨味がやって来ます。

麺はかなりウェーブが掛かっておりますが、表面はつるんとしており、適度なコシがあります。

亜熱帯植物の灰汁の上澄みを用いて練る伝統的なスタイルです。

旨味の強いスープと力強い麺の相性が良い。

そして、三枚肉は比較的さっぱり目の味付けで、スープとバランスを取っているように感じます。

 

と、そこへ待望の【大東寿司】が登場。

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魚の漬け時間は5分強でしょうか。

【大東寿司】は酢飯にかなり酢が利いており、甘みも強いです。

柔らかめ、冷ためな点はいかにも家庭的な寿司だと感じます。

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なお、使用されている魚はどうも鰆ではなかったので伺ってみたところ、

メカジキを使用されているそうです。

時期によって異なるわけですね。

漬け調味料の味付けはあっさり目で、魚はぷるんと引き締まっております。

【べっこう寿司】との大きな違いは、

向こうが唐辛子醤油を使うのに対して、こちらは使わない点。

伊豆諸島では山葵が取れないため唐辛子醤油を使用するようになったのですが、

南大東島においても同様なはず。

コーレーグースなど辛味調味料が多い沖縄において、

唐辛子醤油を使用しないのは中々興味深いです。

 

【大東ソバ】と【大東寿司】の組合せは相性が良く、

沖縄にあって個性を宿した料理だなと感じました。

歴史の中では八丈島系住民と沖縄系住民の対立があったようですが、

このように料理が合致している現在を見ると、優しい気持ちになれます。

 

店名:元祖大東ソバ

予算の目安:〜1,000円

最寄駅:見栄橋駅から320m

TEL:098-867-3889

住所:沖縄県那覇市牧志1-4-59

営業時間:11:00~20:00

定休日:無休

 

ご参考になりましたら幸いです!

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