すしログ 〜The Encyclopedia of Sushi〜

寿司、鮨、鮓…スシに魅せられた男のブログ。鮨が大好きだ!と確信して以来、全国に及ぶ食べ歩きを行っております。江戸前鮨ではシャリの美味しさと仕事との調和を重視。鮨と密接な関係にある日本料理や郷土料理の名店も紹介。実は若輩者ですが向学心と感謝の念を忘れずに続けていきたいと思います。

すしログ日本料理編 No. 48 山映@城山(鹿児島県)

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こちらは1933年に開業された鹿児島らしい料理を頂ける割烹です。

開業当時の屋号は「サンヱー」と称し、

「料理」「酒」「サービス」の三つともが

「ヱー(良い)」との思いを込めて付けられたそうです。

初代・新村勝納氏はかつて兵庫・大阪に存在した一流料亭である、

はり半(播半)で修行され、天皇陛下の料理番まで担当されました。

そして、現在は新村健治氏が暖簾を守っておられ、

錦江湾の幸と鹿児島の郷土料理を楽しませてくれます。

初代が残した言葉は正しく地方で郷土料理を頂く悦びを表しております。

「本場には他国人にとってはちょっと強すぎる程であっても、

郷土料理の伝統と個性を残して置きたい。

でなくてはツーリストの楽しみの半分は失われてしまう」

 

余談となりますが、はり半の参考情報

sites.google.com

山映のオフィシャルサイト

satsuma-sanei.com

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お店の建物は重厚な料亭のようで、入るのにちょっと勇気が要りますが、

店内にはカウンターも有り、女将さんの笑顔に満ちた接客で心が和みます。

若い人でも伺って問題の無いお店です。

 

予約の際、【薩摩料理を織り交ぜたおまかせコース】をお願いしました。

予算は6,000円~15,000円で作って頂けるそうで、

確か9,000円で作って頂いたように思います(うろ覚えですいません)。

そして、お酒はやはり焼酎を。

僕は日本料理の場合、日本酒を飲む事が一般的ですが、

郷土料理には郷土のお酒が一番です。

飲んだ事がない銘柄から、西海の薫り、夏の小牧、南之方をチョイスしました。

 

この度の料理は鯛をメインに据え、随所に郷土料理が挟み込まれる内容でした。

鯛は初代の頃から出しておられたそうで、当時は主人自ら釣りに行き、

3時間で470匹も釣られた事があるそう。

錦江湾の鯛に並々ならぬ愛着と自負を持っておられるのだと感じます。

そして、郷土料理の方も、伝統的な味わいを残しつつ、

調理自体は非常に洗練されており、野暮ッたいところが皆無。

モダンな日本料理のような「華」は無いかもしれませんが、

一品一品が非常に印象深い。

料理に誠意が満ちており、もてなしの心と郷土料理への愛情を感じました。

 

頂いた料理は下記の通りです。
【赤海老と酒盗】
【ゴーヤと海老の和えもの】
【いちじくの白和え】
【キビナゴのお造り】
【鯛と鰆のお造り】
【椀:鯛の潮汁】
【鯛の兜焼き】
【薩摩揚げ】
【薩摩豚骨料理】
【鯛の雑炊】
【水もの】

 

赤海老と酒盗

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カツオの酒盗が美味しく、非常に瑞々しい。

クセが無く、旨味の強い酒盗である。

 

ゴーヤと海老の和えもの

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ゴーヤのほのかな苦味と、海老と卵の甘みが好対照。

海老はサッと茹でて叩いたものかと思われる。

胡麻油を僅かに使用している点も味わい深い。

 

いちじくの白和え

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非常に滑らかな舌触りの白和え。

味わいも媚びたところが無く、上品。

 

キビナゴのお造り

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流石!と感じるほどの鮮度。

間違い無く東京や大阪で頂く事は出来ず、

鹿児島県内でもトップクラスかと思う。

口当たりの良さ、雑味の無さ、香りの良さ。

キビナゴで残念な思いをした人にこそ、食べてもらいたい。

自家製の酢味噌は甘くなく、キリリと美味い。

 

鯛と鰆のお造り

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鯛は生と〆たもの。

とにかく脂が上質で、舌に力強く広がる。

〆加減は軽やかで、柔らかい食感を残している。

鰆は鮪のトロのように濃厚な脂で、旨い。

あしらいは「トイモガラ」と呼ばれるハスイモの葉柄(ずいき)。

非常に甘く印象的だったので伺ったところ、

朝早く採らねばエグミが出て来るとの事。

 

鯛の潮汁

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本日の鯛は大隅半島の外海のもの。

身質は引き締まっており、旨味が強い。

そして、しっかりした香りが心地良い。

 

鯛の兜焼き

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たっぷりとまぶされているのは、赤海老の前足を揚げたもの。

兜と言えども食べ応えは抜群で、上質な脂の旨味、ゼラチン質の旨味を楽しめる。

ドーンと出てきて驚いたが、これは嬉しい。

 

薩摩揚げ

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白身魚由来の自然な甘みがじゅわっと広がる。

ふんわりした食感が独特だったので伺ったところ、

豆腐を混ぜているそう。

あしらいがエシャロットにもろみと言う点も面白い。

 

薩摩豚骨料理

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黒豚を味噌、焼酎、黒砂糖、生姜などで煮込んだ郷土料理。

古くは武士が線状で食べていたとされる。

こちらの豚骨は脂の残し方が素晴らしい。

豚の骨周りの肉と味噌だと、ヘタするとヘヴィな味わいになりがちだが、

比較的さっぱりしており、味噌や甘みの抑制加減が良い。

そして、豚の繊維質と脂身の食感が適度に残っており、

ホロホロし過ぎていない。

山椒も使用しているようで、強い個性を感じさせる。

 

鯛の雑炊

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鯛の存在感が半端無い!

ゼラチン質の旨味が溶け出ており、少量で多大な満足感を得られる。

極微塵切りにした三ツ葉も良きアクセント。

香の物は糠漬けで、これも美味。

 

水もの

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メロン。何気に美味しかった。

 

こちらは鍋料理も充実しているようで、黒豚しゃぶしゃぶに始まり、

アラ鍋や伊勢海老鍋、鱧しゃぶ(夏)、アンコウ鍋(冬)など、バリエーションが豊か。

単に郷土料理だけでなく、「鹿児島で頂く日本料理」として貴重なお店だと思う。

鹿児島の人にとっては、お祝いの席などにも使えるだろう。

 

店名:山映(サンエー)

食べるべき逸品:。

予算の目安:6,000円〜20,000円

最寄駅:朝日通駅から450m

TEL:099-222-8300

住所:鹿児島県鹿児島市城山町2-18

営業時間:11:30~14:00、17:00~22:00 ※完全予約制です

定休日:不定休

 

ご参考になりましたら幸いです!

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