すしログ 〜The Encyclopedia of Sushi〜

寿司、鮨、鮓…スシに魅せられた男のブログ。鮨が大好きだ!と確信して以来、全国に及ぶ食べ歩きを行っております。江戸前鮨ではシャリの美味しさと仕事との調和を重視。鮨と密接な関係にある日本料理や郷土料理の名店も紹介。実は若輩者ですが向学心と感謝の念を忘れずに続けていきたいと思います。

すしログ日本料理編 No. 81 悠然いしおか@段原(広島県)

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こちらは比治山の近く、閑静な住宅街にある日本料理店です。

訪問時点ではネット上に情報がほとんどありませんが、

ご主人・石岡慎吾さんの腕とセンスは間違い無いと感じました。

食材はなるべく広島産を用いつつもそこに縛られる事は無く、

県外産の素材と調味料を効果的に組み合わせておられます。

そう、食材のみならず調味料へのこだわりも秀逸で、心より感銘を覚えました。

オープンは2015年11月で、まだ33歳とお若い方。

今後が大いに楽しみになります。

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店内に入ると漂う空気が香り良く、期待がグッと高まります。

雰囲気も良く、ケンポナシを使用したカウンターは素朴ながらに温かみを覚える。

暑い日だったので冷やしたおしぼりが心地良く、

おしぼりの手入れもしっかりしており気持ちが良かったです。

コースは7,000円と9,000円の2つとの事でしたので、

上のコースを予約の上で伺いました。

内容的に非常に満足度が高く、日本料理の魅力を心より満喫。

県内、県外に関係なく、珍しい食材との出会いに人は笑顔になる事でしょう。

確かな日本料理の技術と独自の感性を組み合わせた料理は、

石岡さんでしか作り出せない世界。

広島で頂くべき日本料理の一つとして、オススメ致します。

 

お酒は日本酒王国・広島の本領発揮と言ったラインナップ。

1杯目は富久長・純吟・八反草。

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八反草は富久長が独自に復活栽培した広島八反系酒米。

その後、天寶一・純吟中汲み・山田錦、玉櫻・夏純米、

龍勢・番外品、竹鶴・生酛純米H20BYを頂きました。

 

頂いた料理は下記の通りです。

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先付

アオリイカと地海老、破竹の木ノ芽和え。

実に爽やかな一品で、イカは湯がいた後に飾り包丁を入れており、歯切れが良く甘い。

木ノ芽以外にほうれん草、白味噌を用いており、メリハリの付いた味わいが素敵。

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椀種は大野瀬戸の浅蜊を用いた真薯。

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あしらいは柚子の蕾と新芽、黒丸大根、ズッキーニ。

これらは全て広島産。

吸い地は浅蜊の旨味が全面に出ており、椀種と完全に調和。

浅蜊を浅蜊自体で頂くよりも印象深く楽しませてくれる秀逸な椀。

黒丸大根は皮に特徴的な力強い香りがあり効果的なアクセントとなり、

ズッキーニの風味と甘みも一つのリズムを作り出す。

柚子は香りしっかりで、爽快感を高める。

一見すると装飾的なようだが、実に計算された椀である。

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お造り

変化球的なお造りは、旬の三原の蛸と山葵の茎を用いたジュレ。

山葵は嫌味なく使用されており、ひたすら爽快。

蛸の甘みと風味が活きている。

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お造り

瀬戸内の夏を象徴するアコウ(標準和名キジハタ)の昆布〆。

しっかりと〆ているが、昆布の香りの沈着は弱く、グルタミン酸を効果的に付加。

アコウ自体のイノシン酸を感じさせつつ、

噛み締めるとグルタミン酸が相乗効果的にこみ上げてくる。

また、〆つつもプリプリ感を残しているところも魅力。

付け合わせの煎り酒は梅干しの酸を立てている。

椀、お造と、ご主人のセンスが遺憾なく発揮されている。

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鱸の焼きもの

今治の藤本さんの鱸!

ヤングコーン、ぜんまい、酢漬け大根の実、ウド味噌、若牛蒡。

実に酒飲みキラーな焼きものである。

鱸は炭火を用いつつ、しっとりとジューシィに焼き上げている。

あしらいは人参の花で、しっかりと香りがあるところが面白い。

ヤングコーンはとにかく甘かった。

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焼きものは東京の有名店でも凡庸な事があるため、このセンスは秀逸である。

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じゅんさいと鱧の煮凝り

じゅんさいの産地は黒瀬。

個人的に東広島〜安芸高田のじゅんさいは全国屈指だと感じる。

食感や香りに加えて瑞々しさが素晴らしい。

澄んだ水よりも瑞々しく清廉なじゅんさいは、他にあるだろうか?

あしらいはナスタチウムで、鱧の煮凝り、鱧の浮き袋も使用。

軽い三杯酢を用いているが、味わいの主体は鱧の旨味。

じゅんさいに手を加えつつ、活かす才能を感じさせてくれた。

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広島牛リブロースの焼きもの

じゅんさいの後にまさかの牛肉。

しかし、嫌味にならないのは味覚…否、香りのコントロール故か。

玉葱はホイルに包みじっくりと焼き上げ、メイラード反応を起こしている。

そして、そこに自家製の小鰯の魚醤を用い、予想外の香りの協奏を演出し、

食欲を効果的に高めてくる。

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セコガニとウドの土鍋ご飯

時期的に超レアな北海道産のセコガニ。

昆布出汁を強めに用いた炊き込みご飯だが、セコガニもしっかりと主張。

広島産のウドが両者を巧く繋いでいる。

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香の物はぬか漬けの大根、人参、炊いた昆布。

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留め椀

香ばしいお揚げに、とろとろの呉豊島産の布海苔が美味しい。

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水菓子

甘夏のシャーベットとゼリーに日本ハッカ。

柑橘の酸味と甘み、風味に突き抜けるハッカの香り。

デザートまで抜かり無く感服。

尚、お茶はハブ草茶。

 

広島で敢えて伺うべき「広島らしい」日本料理の名店だと思います。

再訪必至也!

 

店名:悠然いしおか(ゆうぜん いしおか)

食べるべき逸品:広島産の食材を組み合わせた縦横無尽な石岡料理。

予算の目安:コースは7,000円と9,000円の2本立て。

最寄駅:段原一丁目駅から650m

TEL:082-569-5753

住所:広島県広島市南区段原3-15-19 皆川ビル1F

営業時間:17:30~22:00

定休日:不定休

 

ご参考になりましたら幸いです!

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