すしログ 〜The Encyclopedia of Sushi〜

寿司、鮨、鮓…スシに魅せられた男のブログ。鮨が大好きだ!と確信して以来、全国に及ぶ食べ歩きを行っております。江戸前鮨ではシャリの美味しさと仕事との調和を重視。鮨と密接な関係にある日本料理や郷土料理の名店も紹介。実は若輩者ですが向学心と感謝の念を忘れずに続けていきたいと思います。

すしログ No. 168 月の木@大分市(大分県)

f:id:edomae-sushi:20161023162543j:plain

大分では非常に珍しい、江戸前仕事を用いた鮨店です。

大分は九州でも特に生の魚を貴ぶ傾向にあると感じますので、

鮮度の高い生魚に仕事を施し、赤酢のシャリと合わせるご主人は、

結構な異端児だと思われているのではないでしょうか(もちろん良い意味で!)。

 

2016年で開業11年目、今の場所に移転してから7年目との事ですが、

年季の入った個性的な仕事を感じる事が出来、

試行錯誤を繰り返し今に至る事は一目瞭然です。

 

握りは5手ほどで精確に握られているし、包丁の切り付けも良い。

更に、使用される器のセンスも良いため、総合的に魅力ある鮨店です。

天井は打ち放しコンクリートで、BGMはノラ・ジョーンズだったりするので、

デートで使用されても落ち着いて頂けるでしょう。

お値段も極めて良心的なので、若い方でも安心して使えます。

頂いた後、非常に高い満足感を感じる事が出来ました。

 

ただ、訪問していささか残念だった点もあり、是即ち隣のお客さん。

途中から来られた方の体臭が結構キツく、

鮨を頂きつつ、鼻を閉じていなければならないのが心底辛かった…。

こちらはお任せのみのお店なのですが、その方はお好みで頼まれており、

常連さんなのだと推察されましたが、それならば余計に改善すべきだと思います。

折角良いお店なのに、食の楽しみを奪われてしまった次第です。

鮨店に香水を付けてきたり、飲食途中に(店外であっても)煙草を吸うのと同様に、

体臭については徹底的にケアするのが、他の人へのマナーです!

 

そんな感じの悲しい事件がありましたが、味は良いので、

気を取り直して下記にご紹介いたします。

 

頂いた日本酒は鷹来屋 純米生酒 山田錦85。

酒肴が少なく、握り主体のコースでしたので、1合のみ頂きました。

f:id:edomae-sushi:20161023162533j:plain

初いくら

ご主人いわく、大分には中々初物のイクラ(筋子)が入ってこないらしい。

出汁が良い塩梅に利いており、良きスターター。

f:id:edomae-sushi:20161023162548j:plain

縞鯵

蒲江産。香りがしっかりあり、脂は上質。

噛み締めるごとに甘みを楽しめる。

槍烏賊

甘みが非常に強く、柔らかにとろける。

塩は糸満の塩を使用。

f:id:edomae-sushi:20161023162544j:plain

関サバ

生ゆえに食感ぷりぷりだが、しっかり甘みがある。

鯖特有の癖は皆無。

滑らかな繊維質は舌を愛撫し、ひたすらに甘やかす。

これは非常に旨く、現地ならではの至福。

鹿児島産の戻り鰹。

キッチリと藁火で炙っており、燻蒸香が良い。

酸味は爽やか。

f:id:edomae-sushi:20161023162534j:plain

ちなみに、お造りの調味料。

手前はニンニク醤油、真ん中煮キリ、奥カボスポン酢。

f:id:edomae-sushi:20161023162554j:plain

鱈子の山葵漬け

オリジナリティ溢れる酒肴。

山葵の爽やかな香りとピリッとした自然な辛さが良い。

塩鱈子を山葵醤油に漬けているとの事。

人工的な味わいの鱈子が多いので、尚更印象深い。

 

この後、握りに移行します。

シャリは前述の通り米酢に加えて赤酢を使用。

ほのかな甘みがあり、酢は割と強め(都内の赤酢のシャリとは無論異なります)。

酸味が米粒をコーティングしており、タネ(仕事)との相性が良い。

米粒はパラッとほどけるし、美味しいシャリです。

国東の新米を使用しているそう。

新米ですが、粘度は気になりません。

f:id:edomae-sushi:20161023162536j:plain

ガリ

甘みを付けつつ、シャープな香りが持ち味。

f:id:edomae-sushi:20161023162545j:plain

関サバ

なんと生で!東京の感覚からすると、吃驚仰天。

しかし、魚の力が強いので、違和感が無く美味い。

切り付けの厚みが良い。

f:id:edomae-sushi:20161023162552j:plain

槍烏賊

烏賊の甘みがシャリに合う。

f:id:edomae-sushi:20161023162549j:plain

縞鯵の腹先

これも生。関鯖同様に脂が良いので、シャリと合う。

f:id:edomae-sushi:20161023162538j:plain

ミナミマグロ赤身

漬け加減が強めで、塩気が少し気になったが、

生が続いた流れとしては、意表をついてアリかもしれない。

f:id:edomae-sushi:20161023162539j:plain

ミナミマグロ中トロ

強い脂の甘みがシャリとのバランス良好。

f:id:edomae-sushi:20161023162541j:plain

ニンニク醤油を使用されており、パンチの有る味わい。

しかし、カツオの風味がしっかり有るので嫌味にならない。

f:id:edomae-sushi:20161023162540j:plain

烏賊と鯛の真薯入り茶碗蒸し

鯛の香りを感じる、ふんわりジューシィな真薯が美味。

f:id:edomae-sushi:20161023162535j:plain

カマス

昆布で〆ており、これは素晴らしい仕事。

昆布〆の塩梅に加えて火入れも良く、中心部は生の食感を残しつつ、

きっちり熱を加えて脂の旨味を活性化させている。

f:id:edomae-sushi:20161023162537j:plain

コノシロ

小鰭ではなくコノシロと言うのが九州っぽい(熊本県に郷土寿司がある)。

これもまた〆の塩梅が良く、コノシロといえども香りに嫌みが無く、

旨味や甘みも十分楽しめる。

f:id:edomae-sushi:20161023162553j:plain

太刀魚

火入れが良く、サラッと消える繊維質。

煮キリはもう少し少なめでも良い気がした。

f:id:edomae-sushi:20161023162550j:plain

車海老

国東産。茹で置きであったが、甘みが強く、身の柔らかみも保持されている。

f:id:edomae-sushi:20161023162551j:plain

赤雲丹軍艦

臼杵産。強い甘みを残し、溶ける。

臼杵の雲丹は始めて頂いたが、非常に上質。

f:id:edomae-sushi:20161023162547j:plain

穴子

とろろんととろける食感で、これぞ江戸前の穴子。

甘みの塩梅も良く、シャリの塩気、酸味と合う。

f:id:edomae-sushi:20161023162546j:plain

玉子

芝海老、芋に加えて白身魚も使用している。

みっちり、しっとりした食感で、旨味が強い。

f:id:edomae-sushi:20161023162555j:plain

味噌の風味が良い意味で強く、大分らしい椎茸の風味も奏功。

f:id:edomae-sushi:20161023162542j:plain

干瓢巻

干瓢は力強い歯応えで、好み。

甘みを利かせつつ醤油とのバランスが良い味付け。

山葵がキリリと引き締める。

 

上記の内容で1万円少々と言うのは、非常に満足度が高い。

使用するタネは大分らしい地物が中心で、仕事は精度の高い江戸前。

大分で鮨を食べたいと思われる方には、申し分無くオススメ出来る優良店です。

 

店名:月の木(つきのき)

シャリの特徴:米酢と赤酢をブレンドしつつ、クセが無く、タネとの相性が良いシャリ。

予算の目安:8,000円~12,000円

最寄駅:大分駅から700m

TEL:097-532-1738

住所:大分県大分市中央町3-5-16 wazawaza103

営業時間:19:00〜23:00

定休日:不定休

 

ご参考になりましたら幸いです!

にほんブログ村 グルメブログへ