すしログ 〜The Encyclopedia of Sushi〜

寿司、鮨、鮓…スシに魅せられた男のブログ。鮨が大好きだ!と確信して以来、全国に及ぶ食べ歩きを行っております。江戸前鮨ではシャリの美味しさと仕事との調和を重視。鮨と密接な関係にある日本料理や郷土料理の名店も紹介。実は若輩者ですが向学心と感謝の念を忘れずに続けていきたいと思います。

すしログ No. 150 じゅげむ@紀の川市(和歌山県)

今回ご紹介する郷土寿司は和歌山県の【じゃこ寿司】です。

「じゃこ」と聞くと「ちりめんじゃこ」を思い浮かべる方が多いのではないでしょうか?

僕自身、和歌山に【じゃこ寿司】があると聞いた時、

稚魚でびっしりと覆われた寿司をイメージしました。

しかし、【じゃこ寿司】を頂けるエリアは和歌山の中でも海から離れた

紀の川市周辺(旧貴志川町、旧桃山町、岩出市)に限られており、

イワシの稚魚である「ちりめんじゃこ」を使う事はあまり考えられない。

調べてみると、じゃこ=雑魚であり、

川魚であるオイカワ(別名ハヤ、ハエなど)を用いた寿司となり、

夏祭りの頃には握りで、秋になると箱寿司にして食されてきたとの事です。

東京はおろか和歌山周辺の大阪、奈良でも頂ける事が無いであろう郷土寿司。

どうしても頂きたくなり、調べたところ、

こちらのじゅげむで頂ける事が分かりました。

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不思議な響きの店名ですが、落語の寿限無の内容を思い浮かべると、

雑魚を使った寿司を供するお店ゆえのネーミングか?と何となく想像が付きます。

…違ったらすいません。

【じゃこ寿司】は郷土寿司なので、

あくまでも手作りが主で、作られているお店は少ないようですね。

 

さて、【じゃこ寿司】の伝統的な作り方は、意外に手が込んでおります。

内臓を取り除いた川じゃこを炭火で焼き、その後1日風干しする。

その上で、番茶で1時間炊き、さらに調味料を合わせて1時間弱火で煮詰めるそうです。

この調理法は和歌山市内にある弥助寿司の【鮎甘露寿司】とほぼ同じです。

作るとなると手数が多いのが郷土寿司の常ですが、

それ故に特別なタイミングで皆の力を合わせて作られてきたのだろう…と想像すると、

妙にノスタルジックな温かみを覚え、是非とも将来に継承していって欲しいと感じます。

そして、自分自身でも作ってみたくなります。

自作は別の機会にするとして、この度は頂いた寿司の紹介を。

 

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この安っぽいパックがまた郷土感があります(笑)

郷土寿司が根付いた地域の道の駅には、パックが雑然と並んでいて面白いものです。

 

フォルムもまたワイルドな感じでグッと来ます。

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頂いてみると、じゃこの甘辛い醤油味に酢飯の酸味が混ざり、

素朴ながらに個性的な味わいです。

酢飯は完全に家で作ったような味わい。

非常に穏やかな味わいの酢飯で、そこに醤油、味醂、酒の味付けが混ざるなんて、

日本人全ての心に伝わる味わいですね。

特筆すべき点はじゃこの柔らかさで、

焼き、干してからじっくりと炊いているために特徴的な食感となっております。

付け合わせに紅生姜が付いており、

しかもクラシカルな色合いの紅生姜でしたが…ただ、やっぱり合う(笑)

 

いやはや、全体的に頂いた良かったと思わされるレアな郷土寿司でした。

こういった意外性があり、「そこでしか頂けない味」の料理に出会える事は実に幸せですね。

 

店名:じゅげむ

予算の目安:700円〜

最寄駅:下井阪駅から2,600m ※車がベター!

TEL:0736-66-2023

住所:和歌山県紀の川市桃山町元328

営業時間:??? ※売切れ次第終了、事前に電話確認が望ましいです

定休日:水曜

 

ご参考になりましたら幸いです!

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