すしログ 〜The Encyclopedia of Sushi〜

寿司、鮨、鮓…スシに魅せられた男のブログ。鮨が大好きだ!と確信して以来、全国に及ぶ食べ歩きを行っております。江戸前鮨ではシャリの美味しさと仕事との調和を重視。鮨と密接な関係にある日本料理や郷土料理の名店も紹介。実は若輩者ですが向学心と感謝の念を忘れずに続けていきたいと思います。

すしログ日本料理編 No. 16 縄屋@京丹後(京都府)

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こちらは昨年4月にお伺いしましたが、今回季節を変えて再訪しました(1月)。

前回の記事

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結論から述べると、前回よりも満足度がググッと上がりました。

個々の料理の個性が強く出ており、個性が有機的に合致。

使用されている素材の幅も広がった印象です。

再訪して分かる部分(自分の問題)もあるかとは思いますが、

全体的なストーリー性と言うか、お店の輪郭がよりハッキリ分かる内容でした。

 

素材については従来は京丹後のものにこだわっておられたようですが、

現在は良い仕入れルートを見つけられたようで、他県のものも使われております。

ご自身の料理観に変化があったのかな?と感じました。

ご自身のイメージを具現化するために食材の幅を広げた。そのようなイメージです。

 

繊細さと華美を併せ持った個性的な日本料理で、

「やりすぎていない創作性」がやはり魅力的だと感じました。

盛り付けや器のセンスも非凡かと思います。

 

一つだけ特にオススメを述べるならば、魚の火入れ。

「魚はあまり食べない」、「焼魚なんて渋い」と思っている人ですら

確実に魅了されるであろう、繊細で柔らかな火入れです。

 

この度のコース内容。

【胡麻鯖の燻製と金目鯛のこなれ鮓

【鮑と甘草の天麩羅】

【お造り(鯛、鰤)】

【北寄貝の椀】

ムツの焼物】

【蛸のお造り】

【海老芋の煮物】

【冬鰻の椀】

【豆ご飯】

【水菓子】

 

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【胡麻鯖の燻製と金目鯛のこなれ鮓】

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一品目から変化球を繰り出してこられ、笑顔に。

胡麻鯖の燻製には柑橘類を混ぜた出汁が塗られているようで、

燻蒸香と酸味が程よく馴染む。

金目鯛のこなれ鮓は前回も頂いたが、やはり魅力的。

穏やかに熟成された米の香りと甘みが金目鯛の脂の旨味を引き立てる。


【鮑と甘草の天麩羅】

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鮑はきっちり香りがあり、柔らかく、噛みしめるとゼラチン質が舌に絡みつく。

良い火入れです。

甘草の若々しい青い香りも心地良い。


【お造り(鯛、鰤)

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これは共に素晴らしかった。

鯛は濃厚な香りを宿しており、噛み締めた時の鮮烈な風味が印象的。

やはり、西で頂く真鯛は扱い方が巧い。

そして、「味の勢い」で言うと鰤が上を行き、

感情に直接的に訴えかけてくる、荒々しい旨味。

濃厚な味わいながらに、脂はスッキリしており、頂いた後も清々しい。

包丁の入れ方が良い。

また、辛味を抑えた辛味大根を添えているところにも、センスを感じる。

 

【北寄貝の椀】

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超肉厚な北寄貝で暫し言葉を失う。

噛みしめると、ボディに反比例し決して大味ではなく、

北寄貝固有の甘みが滲み出てくる。

芳醇でふくよかな甘み。

北寄貝を活かすべく計算されて円味のある出汁も良い。

 

ムツの焼物】

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前回訪問した際に鰆で感じたが、今回の黒ムツも溜息がこぼれる程の火入れ。

超柔らか、ふわっふわに焼き上げており、魚の香りと甘みを満喫出来る。

炭火を使用しているようだが、ここまでコントロールされているのは見事。

粗く切ったクレソンには赤酢を使用。


【蛸のお造り】

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武骨な盛り付けだが、歯切れが良く穏やかな甘みのある蛸。

付け合せは赤かぶ、津田かぶ。


【海老芋の煮物】

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絶品。素朴な食材を合わせつつ、極めて強い印象を残す。

出汁は強めで、だからこそ海老芋の輪郭を強く浮き彫りにする。

素材そのものに近い形での提供だが、箸を入れると柔らかく、甘みが春を予感させる。

白魚、蕗の薹との相性は言わずもがな。

 

【冬鰻の椀】

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鰻は肉厚で、穏やかな脂。

強すぎず、それでいて終盤の食欲を収めてくれる。

一品一品の流れに妙があり、これぞストーリー性だと感じる。


【豆ご飯】

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豆の香りが芳醇で、贅沢な気持ちになる。

硬さも良く、炊き上げられた米の硬さとピッタリ合っているのが印象的。

一度炒っているのが香りの秘訣。

 

【水菓子】

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豆、安納芋、金柑、蘇。

まさか蘇をデザートのソースにするとは。

マニアック過ぎです(笑)

お茶はクロモジ茶。

 

総じて、次回訪問するのが楽しみになる内容でした。

立地が立地とは言え、1万円ちょいのコースとは思えないクオリティです。

まだまだお若いご主人、将来的な進化を見届けたいと思わされました。

なお、器で印象深かったものがあり、作家を聞いたところ、

伊賀の岸野寛氏との事でした。

帰宅後早々に調べると、庶民には手が出しづらい価格(笑)

僕は器も好きで集めておりますが、

良いものはお店で堪能するようにしたいと思います…

 

店名:縄屋

食べるべき逸品:メリハリの利いた創作日本料理

予算の目安:3,000円~ ※11,000円のコースを推奨

最寄駅:自動車がベター

TEL:0772-65-2127

住所:京都府京丹後市弥栄町黒部2517

営業時間:12:00~13:30、18:00~20:00

定休日:火曜

※完全予約制、営業要確認

 

ご参考になりましたら幸いです!

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