すしログ 〜The Encyclopedia of Sushi〜

すべての鮨好きに送るブログ。日本料理、郷土料理、和菓子の名店も紹介!

すしログ日本料理編 No. 108 詠月@赤坂

こちらは今は無き京都の「あじ花」で修業された方の日本料理店です。

お店は赤坂のクラブビルに入っており、あたかも銀座8丁目の如し!

僕は水商売に一切興味が無いので一瞬怯んでしまいましたが、

どうやら周囲の再開発に伴い、続々と当ビルに移ってきた模様です。

しかし、店内に入ると穏やかな時間が流れており、

逆に「隠れ家感」があって、僕は心地良いように感じました。

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御料理を頂いた感想としては、

東京の日本料理店としては非常に琴線に触れました。

この度は椀ものが無く、松茸の土瓶蒸しでしたので、

吸い地による評価は保留となりますが、

シンプルでありながら強い印象を与える、質実剛健な御料理だと思います。

そして、素材で創作性を顕されている点が面白い。

具体的に言うと、焼きものに鵡川のシシャモを用いたり、

牛肉の代わりにナガスクジラのタタキを供されたり。

個人的に東京における高級食材の足し算に辟易する昨今、

ご主人の試みは素晴らしいと感じました。

異なる季節でどのように表現されるのか気になるお店なので、

時を置いて再訪したいと感じた次第です。

 

この度の内容。
・先付:いくら、銀杏
・椀もの代わりの松茸の土瓶蒸し
・お造り:真鯛、カマス
・焼きもの:シシャモ
・お凌ぎ:鯖寿司
・生麩の利休焼き
・穴子と九条葱の小鍋
・ナガスクジラのタタキ
・進肴:ボタンエビ、帆立、毛蟹の松の実の酢のもの
・お食事:舞茸と秋鮭の炊き込みご飯、留め腕、香の物
・水菓子

 

日本酒は30種類ほど用意されているとの事。

この度は、福祝・特別純米ひやおろし、永寶屋・辛口純米八反錦、万齢・特別純米を。

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いくら

ねっちり漬け込み、おろしに土佐酢を使用してサッパリと。

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銀杏

大ぶりでホクホク。

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椀もの代わりの松茸の土瓶蒸し

松茸は、今年何度か頂いたブータン産。

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全国各地で不作の悲鳴を聞いた次第。

ブータンは高地なので虫食いが無く、香りの質は高い。

そして、それを活かす仕事が素晴らしい。

出汁は松茸を活かすレヴェルで鰹を利かせ、

旨味のコントラストにより松茸の輪郭を強める。

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松茸本体はしっかりした食感で、旨味も割とあるが、

これは土瓶蒸しで頂くからこそ満足感が高まったのだと思う。

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お造り

鯛とカマス、藻塩と松前醤油で、

カマスは横須賀産で350gと肉厚!

脂がしっかり乗っており美味しく、香りも追ってくる。

鯛はブランド、明石産。

力強い旨味と何よりも香りが産地を物語る。

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塩水海胆

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焼きもの

北海道・鵡川町(むかわちょう)の本シシャモ。

本来シシャモに「本」を付けるのは本質的に間違いなのだが、

世間に出回る「シシャモ」の多くはキャペリン(標準和名カラフトシシャモ)と言う魚。

味わいは異なり、ノルウェーやカナダから輸入されている。

日本人ならば好きな人が多く居酒屋の定番おつまみだが、

意外にもシシャモでない事を知っている人が少ない。

「本シシャモ」は漁期が10月初頭から11月中旬までと極めて短く、

北海道の鵡川町こそが産地の代名詞となっている。

そして、多くが現地で加工されて出荷される。

「高級な日本料理店でシシャモ!?」と思われた方もいらっしゃるかもしれないが、

このような背景があるため、東京で生の状態から頂けるのは極めて嬉しい事なのだ。

しかも、調理技術(火入れ)が秀逸。

超しっとりと仕上げられており、特に卵の食感は優しく軽やか。

高い技術でシシャモを焼くとこうなるのか!と現地でも味わえない悦びがあった。

写真は、手前がメスで、奥がオス。

シシャモは雌雄で味が異なるので、両方出される点も気が利いている。

ざっくりと述べると、オスは力強い香りと旨味で、メスは矢張り卵の食感に妙がある。

10月上旬の漁解禁のタイミングであれば、子を持つ前のメスを狙える。

魚は子を持つと味わいと香りが変わるので、いつか頂きたいところ。

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鯖寿司

鯖はぷるぷる、パツパツした食感で、

香りがズバッと抜けた後、脂の旨味がグングンと高まる。

即ち、良い〆加減である(笑)

酢飯は硬めに炊き上げ、軽い甘みが付いている点は京都出身らしい。

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生麩の利休焼き

酸味の利かせている点が興味深い。

味噌は焼かれてカリッと香ばしく、胡麻が強めに利いているため、

酸味が良い繋ぎとなっている。

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穴子と九条葱の小鍋

穴子の滋味溢れる香りと九条葱の爽やかな香り。

立ち上がる香りと湯気に心が癒やされる。

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ナガスクジラのタタキ

松茸を添えて。

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肉のような繊維質に驚くも、牛肉に比べて脂の主張が無く旨い。

癖も皆無。

個人的に脂分が多い牛肉を出すよりも良いように感じるが、如何か?

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進肴

ボタンエビ、帆立、毛蟹の松の実の酢のもの。

酢の酸味が柔らかく、ふくよかな甘みが付けられているため、

ボタンエビの甘みが活きている。

各種北海道の恵による自然な甘みで牽引する酢のもの。

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舞茸と秋鮭の炊き込みご飯

舞茸の香りに歓喜!

そして、秋鮭のサッパリした脂と香りを殺さずに調和。

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エノキの食感がアクセントとなり、干し椎茸の旨味が活きている。

味噌汁にはボタンエビが使用されており、美味。

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水菓子

梨、シャインマスカット、ピオーネ?(朧気です)

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お手製のどら焼き

小豆は京丹波の大納言を使用。

実に風味が良く、粒を少し硬めに炊いて食感を加えている点が面白い。

そして、焼きたての生地が香ばしく、

焼きたてのもみじまんじゅうのような喜びがある。

 

店名:詠月(えいげつ)

食べるべき逸品:

予算の目安:おまかせ13,000円、15,000円、18,000円、税サ別

最寄駅:赤坂見附駅から270m

TEL:03-6277-6293

住所:東京都港区赤坂3-11-7 ソシアル赤坂ビル4F

営業時間:月~金18:00~23:00、土18:00~22:00

定休日:日曜、祝日

 

ご参考になりましたら幸いです!

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