すしログ 〜The Encyclopedia of Sushi〜

寿司、鮨、鮓…スシに魅せられた男のブログ。鮨が大好きだ!と確信して以来、全国に及ぶ食べ歩きを行っております。江戸前鮨ではシャリの美味しさと仕事との調和を重視。鮨と密接な関係にある日本料理や郷土料理の名店も紹介。実は若輩者ですが向学心と感謝の念を忘れずに続けていきたいと思います。

すしログ日本料理編 No. 83 野趣拓@土橋(広島県)

こちらは市電の土橋電停近くにある、カジュアルな日本料理のお店です。

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オープンされたのは2016年7月で、店内はスタイリッシュ且つ寛げる雰囲気。

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カウンター5席に加えて座敷席も2つあり、

幅広い利用が出来る使い勝手の良いお店だと感じました。

料理はコースのみとなりますが、提供スピードは速く、

価格もリーズナブルで、5,000円もしくは6,500円。

内容は価格を考慮すると頑張っておられ、価格以上の満足感を得る事が出来ます。

広島は高級店以外ではおまかせが根付いていない土地ですが、

おまかせ慣れしていない方はこちらで試してみると、

おまかせの魅力を実感出来るのではないかと思います。

旬ごと、その日ごとの良いモノを色々と頂ける点は、

おまかせならではの魅力です。

その上、提供の順番によって味わいの満足度は相乗効果的に高まり、

構成=ストーリー性によってご主人のセンスが現れるのはおまかせの面白さ。

ご主人は33歳とお若いですが、料理のセンスに加えてきめ細やかなサービスが非常に印象深く、

笑顔が素敵な奥様との二人三脚も、心を和ませてくれます。

 

ビールについては、生はヱビスで瓶は赤星とツボを押さえたラインナップ。

日本酒は量に応じて500円、700円、1,000円と分かれており、

少量ずつオススメで頂くのが面白いと感じました。

僕がこの度頂いたお酒は、多賀治・純米雄町、

龍勢・涼風生々・特純、神雷・RISING SUN・純米山田錦、

十八盛・青螺姫・山廃純米雄町、美和桜・御結・生酛超辛口純米。

…店内に極々低音量でボブ・マーリィが流れている点が印象的でした(笑)

 

頂いた料理は下記の通りです。

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先付

そら豆豆腐。そら豆の甘みと香りが活かされた爽やかな初手。

鰹出汁に加えて酸味も感じたが、実は酸味は蕨にのみ付けられていた。

土佐酢を全体に掛けず、蕨で酸を表現している点にセンスを感じる。

蕨の下拵えも良く、シャキシャキしつつ、とろりと柔らかにほどける。

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椀種は鱧と新玉葱。

鱧の骨切りは完璧で、葛を打っておらずナチュラル。

鱧の旨味と香りを巧く活かしている。

新玉葱は程よく食感を残しており、椀に甘みが馴染む。

一見すると椀妻が多いように思うかもしれないが、

鰹をやや強めに利かせ、塩気が穏やかな吸い地とのバランスは良好。

温度がやや高めだったので、もう少し下げた方が良いかと思いました。

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お造り

アコウ(キジハタ)とアオリイカ。

アコウは非常に肉厚な切り付けで、食感はプリプリ。

噛み締めると甘みが炸裂する。

1キロオーバーのモノを仕入れ、1日寝かせる仕事。

アオリイカについては、包丁の入れ方が良く、

素材自体の甘みやとろける食感に依存していない点が好印象。

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鯛の白子

火入れに妙を感じた。

トロトロした白子の食感に加え、火入れによるむっちり感は魅力的。

実に濃厚で、旨味が舌に絡む。

惜しむらくは温度が低かった点。

鮨店における鮨種の如く、室温に馴染ませると仕事が活きるかと思う。

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アコウの兜煮

これは豪快かつ嬉しい一品!関東では中々頂けないでしょう。

旬のアコウの旨いところを余すところ無く楽しめる。

頬肉はシャクシャクした食感に旨味がしっかりと乗っており、

唇はねっとりと官能的な旨さ。

皮はゼラチン質に富んでおり、実に贅沢なる味わい。

顎付近はムチムチした繊維質で、噛み締めるとシャクシャクで、

脂の旨味に加えて固有の香りが他の部位よりも楽しめる。

下味が上品なのでボリュームがあっても失速感無く頂けて、

あしらいの実山椒が香り良くサポートに回る。

付け合わせの蕗は野性的な風味を具し、筍も力強い食感と苦味で彩りを添える。

主役のアコウ以外に配慮している点も、ご主人のセンスを表している。

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牛肉の焼きもの

三次・二本松牧場の放牧ジャージー牛の亀の甲。

放牧故に食感と風味に富んだ肉を、炭火を用いてレアに仕上げている。

実に香ばしく、ある種干物のような妙味を味わわせつつ、

血の爽やかな風味が引き締めてくれる。

こちらの牛肉も日本料理で肉を出す必然性に足りている。

一枚一枚に存在感があり、脂や風味が過剰過ぎないので、

下手に脂が乗った魚よりも寧ろリズムを整える役割を担っている。

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破竹と蕨、蕗の土鍋ご飯

一番出汁で炊いており、旨味、風味、塩気はかなり上品。

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個々の山菜の香りが活き活きしており、穏やかに米を演出する。

一連の料理を頂き、恐らくご主人は嗅覚に長けた方かと推察した。

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お替わりは木ノ芽とともに。

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水菓子

甘夏、桑の実にミントジュレ。

スッキリと爽やかな〆。

尚、お茶はハブ草茶。

 

店名に冠する「野趣」たる所以を感じさせる、

素材の魅力をストレートに表現した料理だと思います。

訪問した折には大人の女性が女子会をされておりましたが、

こういったお店で女子会を企画する幹事の方は素敵だなと感じました(笑)

普段使い出来る美味しいお店です。

 

店名:野趣 拓(やしゅ たく)

食べるべき逸品:価格以上の満足感を得られる、広島の食材を活かした料理たち。

予算の目安:5,000円~10,000円

最寄駅:土橋駅から1000m

TEL:082-961-6330

住所:広島県広島市中区堺町2-1-11

営業時間:18:00~

定休日:日曜

 

ご参考になりましたら幸いです!

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