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すしログ 〜The Encyclopedia of Sushi〜

寿司、鮨、鮓…スシに魅せられた男のブログ。鮨が大好きだ!と確信して以来、全国に及ぶ鮨の食べ歩きを開始。江戸前鮨ではシャリの美味しさと仕事との調和を重視しております。江戸前鮨だけでなく、上方の寿司や郷土寿司も大好きです。鮨と密接な関係にある日本料理、郷土料理の名店も紹介していきたいと思います。

すしログ No. 138 銀座 鮨 わたなべ@銀座

店鋪情報 銀座 東京都

前回、大きな満足感を抱いたわたなべさん。

ただ、残念な事に海の都合で小鰭とマカジキが無かったため、

この度リベンジすべく再訪しました(笑)

この度の結果としては、大勝利!

小鰭に至っては、幾つか食べ比べをさせて頂き、

〆て漬けて2日目のもの、1日目のもの、ガリ小鰭巻き、オボロ小鰭巻きと、

鮨好きには涙モノの体験をする事が出来ました。

 

マカジキについても、過去に喜寿司で頂いたモノに匹敵する素晴らしき味わい。


マカジキのハラモは若手のお店ではあまり出されませんが、

鮪が弱くなる時期に頂くと格別。

特に、伝統的な突きん棒漁で獲った大型のマカジキは

上質な脂と繊細な香りを楽しませてくれます。

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味わいだけでなく、食の背後にロマンもありますね~

 

また、再訪して思いを強めたのが、仕事の独創性。

江戸前の仕事をただ頑なに守られるのではなく、

確たる江戸前仕事をベースに、ご主人の解釈や哲学が光る魅力的な仕事を楽しめます。

 

そして、もう一つ素晴らしいのが、お客さんの層。

社会的な地位を持っておられる年配の方が多いのは銀座ならではですが、

騒がずそれでいて楽しそうに談笑されている方が多い。

生半可な知識をひけらかしたり、人気店の訪問自慢をする方がいない点は、

お店の大きな強みだと思います。

 

この度頂いた酒肴はこちら。

 

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墨烏賊のぬた

ぬたに使う烏賊は食感がねっとりしたタイプが一般的だが、

墨烏賊を用いる事で料理としての凛々しさがグッと上がっている。

和辛子と京白味噌を用いた酢味噌はピリッとキリッとしており、

パッツリした食感の墨烏賊と出会い、爽やかに仕上がっている。

わけぎの香りや苦味と、墨烏賊の甘みが酢味噌とピッタリ。

 

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初鰹の炙り漬け

炙った後に軽い漬けにしている。

お弟子さんの手による炙り加減は良く、

煮キリに漬ける事でねっちりとした食感を楽しめる。

香りは初鰹ならではの爽やかなものだが、嫌みのない鉄分が食欲に訴求する。

 

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真子鰈のお造り

皮目を見て、もう真子か!と驚いたところ、千葉県竹岡産とのこと。

いわば「初真子鰈」とも言うべきものだが、味わいはバッチリ。

最初に何も付けずに頂き、次に薬味とポン酢で頂いたが、

薬味に負けない甘みと香りがあり、むしろポン酢が旨味を引き立てる。

寝かして醸成された旨味は舌に心地良い余韻を残す。

最後は付け合せのわさびの葉でキリリと。

 

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鯵のなめろう

神奈川県松輪の鯵を用い、味噌と生姜を強めに利かせている。

「強めに」と言っても鯵の風味を壊すほどではなく、塩梅の妙を感じさせてくれる。

これはお酒を飲まずにはいられない。

 

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ホタルイカの沖漬け

ボイルやスチームものとは異なる肝の楽しみを感じさせてくれる沖漬け。

菜の花の芥子和えは醤油をやや強めに利かせており、酒肴的味わい。

 

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イイダコの煮付け、鮑の塩蒸し

イイダコは火入れが非常に興味深い。

頭の薄皮はぷるんとしており、歯ごたえが良い。

脚の方も香りが残っており、噛みしめる喜びがある。

島根県産の鮑は初めて頂いたが、旨味と香りが上質で、

ごくごく柔らかに仕上げておられる。

目利きと仕事が相まって、小ぶりな鮑を最高の味わいへ。

 

この後、握りに移行しました。

なお、シャリが前回よりも少し硬めで、ほどけ加減が更に良かった点は嬉しい。

 

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宮崎県産なので先のなめろうとは異なる産地。

時期が時期なので旬のものには脂の旨味で一歩譲るものの、

軽く叩いた大葉を噛ませ、酢橘を絞ることで、爽やかな印象を与える。

じんわりと広がる風味もこの時期の鯵ならではで一興。

 

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マカジキ

念願の一貫!甘みが強く、モチっとした食感が小気味良く、

鮪よりも後味がサラリとしているところが粋で美味。

主張し過ぎないのに印象を残すところはマカジキの妙。

 

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春子

ごく浅く〆て、白板昆布と合わせる仕事。

春子自体の甘みがじんわりと広がり、白板昆布が優雅に引き立てる。

 

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トリ貝

愛知県産。火を入れておらず生。

濃厚な旨味が瑞々しく伝わり、3月に頂く鮨の喜びを与えてくれる。

軽く酢で洗い雑味を除去している。

 

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小鰭(2日目)

旨味の初速が速い。

素晴らしい旨味が走った後にすっきり終わり、嫌な香りを残さない。

シャリに擂った柚子皮を軽く付けているが、それが嫌味にならない。

柑橘類の使い方も職人のセンスを問われるもの。

 

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海老

鹿児島県産。

少し小ぶりなマキサイズだが、噛みしめると甘みたっぷりで驚き。

聞けば、塩を振った後に甘酢で洗っているそう。

甘酢による甘みではなく、海老本来の甘みが活き活きと立ち上がっている。

これもまた素晴らしい仕事。

 

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鮪中トロ

アイルランド産。

絶妙な甘みが気持ち良く、脂の粒子のきめ細かさもある。

今の時期の一般的な国内産よりもハッキリ言って旨い。

季節ごとに妥当な品を妥当な価格で仕入れ、お客側の懐に響かせないところが、

名職人の粋でしょう。

 

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紫雲丹軍艦

中トロの後に雲丹と、濃厚なタネが続くが、海苔の風味が引き締めてくれる。

 

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穴子

穴子も3月は弱い時期だが、風味を活かして煮上げるところは流石!

巧い職人さんかどうかは、この時期の穴子を頂くと分かる。

また、こちらの煮ツメも、やはり旨い。

 

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玉子

甘みが強くシャリと合う玉子。

箸休めになります。

この後、追加する気満々だったので(笑)

 

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針魚
ぷるっとした食感の身を噛みしめると、針魚の香りと甘みに包まれる。

〆の塩梅が良い。実に巧みな脱水。

 

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小鰭(1日目)

2日目のものに比べて、酢の浸透が優しく、塩気で旨味の輪郭を立てている印象。

言ってみれば若々しい味わい。

旨味は2日目の方が上だが、また違った風味を楽しめる。

 

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包丁は波立たせず、海苔で纏める。

酒肴で頂いた通りの素晴らしい味わいだが、

シャリが含有する酢の酸味との相性が抜群!

そこに鮑の旨味、肝ソースの苦味、煮ツメのコクが一体化し、

芸術的な味わいとなっている。

ここまで掛け算して下世話な味にならないのは素晴らしい。

 

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ガリ小鰭巻き、オボロ小鰭巻き

さっぱりと小鰭の余韻に浸る、ガリ巻き。

まったりと小鰭の余韻に浸る、オボロ巻き。

交互に頂くと幸せひとしお。

 

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上記の握りに加えて、小松酒造場の豊潤純吟、平和酒造の紀土純吟、

岐阜・三千盛を2人でシェアして2万円を切る価格。

素晴らしい内容に更に惚れることとなりました。

 

店名: 銀座 鮨 わたなべ

シャリの特徴:塩と赤酢のみを用いつつ、バランス良好。温度も最適。

予算の目安:15,000円~20,000円

最寄駅:銀座駅から100m

TEL:03-3572-3330

住所:東京都中央区銀座5-6-14 銀座ビルディング3F

営業時間:17:00~23:00

定休日:日曜、祝日

 

ご参考になりましたら幸いです!

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