すしログ 〜The Encyclopedia of Sushi〜

寿司、鮨、鮓…スシに魅せられた男のブログ。鮨が大好きだ!と確信して以来、全国に及ぶ食べ歩きを行っております。江戸前鮨ではシャリの美味しさと仕事との調和を重視。鮨と密接な関係にある日本料理や郷土料理の名店も紹介。実は若輩者ですが向学心と感謝の念を忘れずに続けていきたいと思います。

すしログ No. 146 銀座 鮨 わたなべ@銀座

2016年2月に訪問して以来、ハマっている粋な鮨店。

4月に再訪しましたが、5月もまた訪問しました。


こちらは再訪する度にシャリが美味しく感じます。

当初感じた柔らかさはイレギュラーだったのか、

二回目、三回目と全くアラを感じなくなりました。

そして、頻度を上げても全く飽きること無く、

むしろ再訪する度に渡部親方の仕事が好きになります。

引き出しの多さは、加藤博章氏直伝の江戸前の仕事の成せる技。

そこに渡部親方の非凡なセンスが加わり、他には無い魅力を創り出しております。

 

この度頂いた酒肴と握りは下記の通りです。

 

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ホタルイカの沖漬け

 

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初鰹

八丈島産。薬味のバランスの良さを再認識!

 

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中心部はぷりんとした食感を残す絶妙な〆加減に、辛味大根を合わせるセンス。

辛味大根は辛味のみならず甘みも提示し鯖に精彩を与える。

なお、鯖の産地は長崎県・壱岐。

 

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牡蠣

兵庫県産の牡蠣に添えられたオリジナルの調味料が面白い。

ケチャップ、マヨネーズ、レモン、タバスコを混ぜており、

下手すると「鮨屋でマジか!?」とドン引きしかねないところを、

美味なる驚きを与えてくれるのが渡部親方の粋。

不思議なほど牡蠣と調和しており、思わず笑いが止まらない(笑)

 

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野菜

秋田産のじゅんさい(今年の初物でした)、トマト、アスパラガス、焼き茄子、長芋。

鮨店で野菜の酒肴というところが、これまた素敵。

鮨好きながらに鮨店の弱点は野菜が摂れないところだと思うが、

こういった一品があると大変嬉しい。

野菜は一つ一つに仕事が施されており、日本料理の炊合せのような面白さ。

八方出汁で炊いたアスパラガスは初夏の爽やかさを感じさせ、

日本固有の野菜なのではないかと思わせるほど。

 

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鱚の一夜干し

ハイカラな酒肴、爽やかな酒肴の後は、キリッと渋く引き締める。

 

この後、握りに移行します。

 

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アオリイカ

「イカの女王」であっても、握りに合うのはやっぱり墨烏賊。

しかし、夏場はアオリイカこそがタネとなる…

握りとの問題は、ひとえに食感だ。

墨烏賊のようにパツッとしていないので、

シャリと合わせると野暮ッたく感じてしまうのがアオリイカの最大の弱点。

渡部親方は切り付けで食感をコントロールされており、

アオリイカのねっとり感を味方に付けておられる。

 

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真鯛

淡路。力強い食感とともに芳醇な甘みを感じさせ、実に旨い。

個人的な嗜好となるが、白身魚に過剰な熟成は無粋の極み。

 

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春子

これは圧巻の仕事。

昆布を用いているが嫌味は無く、春子の皮下の旨味をバシッと提示する。

香りも十分楽しめ、朧の使用量も絶妙。

若い職人さんは昔の仕事を再現する事に意識が行き過ぎて、

春子の〆の塩梅と朧の使用量がアンバランスなケースがあるので、

是非とも渡部親方の春子を食される事を推奨します。

 

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マーベラス!皮を付けたままの鯵!

小鰭のように皮の食感を楽しめ、それが全く煩わしくなく、

むしろシャキっと気持ち良い食感。

〆加減やまぶした酢橘、噛ませた紫蘇の塩梅などが調和している。

上記4貫のストーリー性には驚嘆を覚えた。

 

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トリ貝

貝の臭いと汚れを取り除く程度に湯をくぐらせたトリ貝。

ほとんど生に近い食感で、火を入れたものとは舌に触れた時の艷や甘みが違う。

 

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関東が誇るブランドである佐島の蛸。

噛み締めると香りが力強く立ち上がり、濃厚な煮ツメに負けない。

 

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鮪トロ

アイルランド産の200kgのボディ。

香りとコクが絶妙で、同時期の下手な国産を凌駕する。

 

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初訪問時と同様に絶妙な漬け込みの塩梅。

柔らかい身を噛みしめるとじゅわっと旨味が滲み出る。

着目すべきは苦味と香り余韻として残るところ。

 

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穴子

穴子が弱い時期だが、仕事で申し分の無い味わいを楽しませてくれる。

 

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玉子

今回は帆立を使用。

とは言え、香りが柔らかなので帆立の輪郭はぼんやりしており、

貝類の軽やかな甘みが付加されている印象。

 

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針魚

追加。特別にお願いして、古典的な細工である「わらびづけ」で握って頂いた。

ご主人の素晴らしき〆の仕事を楽しむならば丸づけの方が良いかと思うが、

お願いに応えて頂けるなんて嬉しい限り。

冒頭の春子と針魚を同時に楽しめたのも何より(ともに季節を象徴する美しいタネ)。

 

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干瓢巻き

 

実は今回は、島根県の西部で獲れる「どんちっちアジ」を用いた押し寿司を期待して訪問したのですが、

まだ市場に出ておらず、出会えませんでした。

本当に美味しいモノが揚がった際に出される逸品。

そう言った特別感の有る品は、出会えなくても嬉しくなってしまうもの。

出会える日を夢見る事が出来ますので。

 

店名: 銀座 鮨 わたなべ

シャリの特徴:塩と赤酢のみを用いつつ、バランス良好。温度も最適。

予算の目安:15,000円~20,000円

最寄駅:銀座駅から100m

TEL:03-3572-3330

住所:東京都中央区銀座5-6-14 銀座ビルディング3F

営業時間:17:00~23:00

定休日:日曜、祝日

 

ご参考になりましたら幸いです!

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