すしログ 〜The Encyclopedia of Sushi〜

寿司、鮨、鮓…スシに魅せられた男のブログ。鮨が大好きだ!と確信して以来、全国に及ぶ食べ歩きを行っております。江戸前鮨ではシャリの美味しさと仕事との調和を重視。鮨と密接な関係にある日本料理や郷土料理の名店も紹介。実は若輩者ですが向学心と感謝の念を忘れずに続けていきたいと思います。

すしログ No. 63 驚くべき高知の寿司文化(高知県)

高知県の郷土料理と言えば、何を思い浮かべますか?

間違いなく9割くらいの方が、鰹のタタキを思い浮かべるのではないでしょうか?

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実際、現地に行くと何処もかしこも鰹のタタキを推しており、目を瞠るものがあります。

 

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しかし、僕を驚かせたのは、高知に寿司文化が定着していること。

様々な寿司が飲食店だけでなく、市場やスーパーで普通に売られており、

高知の方がここまで寿司を好きだとは、想像だにしませんでした。

 

まず、初日の晩に頂いた寿司が、これ。

土佐巻です。 

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具は鰹のタタキで、タレに軽く漬けた後に巻いております。

面白いのが薬味で、紫蘇以外にニンニクを使っております。

 

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タタキ単体だと確かに必須の薬味ですが、寿司にまで用いるとは!

それでいて、ニンニクは水にさらして苦味を除去し、

水菜も入れて瑞々しさと食感を与えております。

予想外に完成度の高い巻き寿司でした。

 

そして、次に頂いたのは、田舎寿司。

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田舎寿司とは、高知の山間部で食される郷土寿司で、

タネに野菜を用いるところがポイント。

さらに、酢飯の酢には柑橘類を用いることが多く、柚子が一般的なようです。

見た目は何とも可愛らしいですが、これが素朴ながらに美味しいのです。

使用される野菜タネはタケノコ、ミョウガ、椎茸に加えて、

コンニャクやリュウキュウ(ハスイモ)など。

 

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野菜の寿司なんて!と思われるかもしれませんが、

馬鹿に出来ない個性があり、一度頂くと印象に残る味わいです。

個人的には、田舎寿司を食わずして高知を去るなかれ、と感じました(笑)

野菜を用いてまで寿司を食べようとするなんて、素晴らしい寿司愛じゃないですか。

 

そして、最後を飾るのは、鯖寿司。

まるまる一尾使用した、姿寿司もありましたが、

京寿司と同じく巻いてカットしたものが一般的でした。

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鯖寿司は本当に何処でも売られており、驚きました。

しかし調べてみると、足摺岬近海で獲れる鯖を「清水さば」として売り出している模様。

この界隈の海流は激しいため、引き締まった身の鯖を楽しめるようです。

〆たもの以外に、焼き鯖寿司もありました。

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なお、鯖以外に、鯵、カマス、太刀魚を用いた寿司もあり、

高知の方が「おにぎり感覚」で寿司を食べられていることを知りました。

主要な寿司文化と言えば、京都、大阪、東京(江戸)をイメージし、

その他の地方は江戸前鮨(握り)を独自に進化(ないし応用)させている状況ですので、

高知で郷土寿司が独自の発展を遂げ、定着していることには心から嬉しく思いました。

 

なお、オマケで、今回頂いて印象深かった食材・料理も下記にご紹介します。

 

ウツボ

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美味しくなさそうな外見をしているウツボは、実は大変美味。

身はプリプリしており、力強い食感。

皮の下には芳醇なゼラチン質が控えており、噛みしめるとじゅわっと旨味が滲みます。

脂の粒子は細かく、ねっとりと下に絡み、やみつきになります。

断じてゲテモノではありません(笑)

タタキでも頂きましたが、身の繊維質をより楽しめました。

脂を楽しむなら揚げ物、身を楽しむならタタキという印象です。

 

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高知には江戸時代から捕鯨の文化があり、今でも至るところで鯨料理を楽しめます。

 

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江戸の捕鯨風景のジオラマ 

 

市場では上記のような煮込みが売られ、料理店では繊細な料理に出会えます。 

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コウロウ(石垣鯛)

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東京では馴染みがやや薄いものの、高知では一般的に食されるようです。

何とも言えない甘くもさっぱりした脂と、固有の香りが美味しいです。

 

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東京で国産の蛤と言えば、三重県のものがダントツの知名度ですが、

高知県産も非常に強い旨味を持っております。

滋味に溢れるつゆに浸かった肉厚な蛤にうっとりしました。

 

はちきん地鶏

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地鶏ながらに繊維は程よく切れ、皮下の脂はぷるっとほどけます。

食べやすく旨い地鶏だと感じました。

 

土佐あか牛

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熊本県のあか牛とは異なる香りがあります。

熊本のあか牛は野性味があり、高知のあか牛は爽やかな印象です。

最も、様々な部位ごとに食べ比べていないので、これ以上の感想は控えておきます。

 

斯くの如く、高知県は食材の宝庫で、行く前のイメージが一新されました。

初鰹、初夏だけでなく、四季を通して各々の魅力があり、

聞けば、地元の人は秋が一番美味しい食材が多いとのこと。

これは何度か行かなければならないなと思いつつ、高知を後にしました。

 

【参考:この度お伺いしたお店です】

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割烹。5,000円からお任せで、一級品の食材を頂くことが出来ます。 

 

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活気のある居酒屋。ご主人は「名物」みたいです。

 

 

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利酒師の方が営む居酒屋。 仕入れにこだわりが見えます。

 

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ベタですが、ひろめ市場は手っ取り早く食文化を俯瞰することが出来ます。

鰹だらけですが…(笑)

 

ご参考になりましたら幸いです!

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