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すしログ 〜The Encyclopedia of Sushi〜

寿司、鮨、鮓…スシに魅せられた男のブログ。鮨が大好きだ!と確信して以来、全国に及ぶ食べ歩きを行っております。江戸前鮨ではシャリの美味しさと仕事との調和を重視。鮨と密接な関係にある日本料理や郷土料理の名店も紹介。実は若輩者ですが向学心と感謝の念を忘れずに続けていきたいと思います。

すしログ No. 159 鮨さかい@赤坂(福岡県)

店鋪情報 福岡県

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こちらは、鮨人気が沸騰する福岡の中でも、屈指の人気を誇る鮨店です。

親方の堺大悟さんは南青山の海味で修行され、

まだ30代後半でありながら貫禄があります。

この度、幸運にも予約を取る事が出来、2回転目に訪問しました。

 

お店は警固交差点の脇道から向かうと、ストレートな道の先に

凛々しく燦然と輝いており、印象深いアプローチとなっております。

そして、お店の内装はどことなく洞窟的で居心地が良い。

カウンターの奥行きが深いところも特徴。

ただ、写真を撮る人間にとっては、

カメラの画面を隣のお客さんに見られて気恥ずかしいため、

この度はミスショットが多く恐縮です(笑)

席数は7席とコンパクトで、お客一人一人に向き合う親方の姿勢が好印象でした。

接客の方も近すぎず遠すぎず、適度な距離感で話しかけてくださります。

徐々に打ち解けるような接客です。

最初からベッタリな職人さんよりも、こういった距離感は好感が持てます。

 

こちらはお任せのみなので、握りに入るまで、お酒を2合頂く事に。

オススメで頂いたところ、最初の銘柄が黒龍の純米吟醸で、ビックリ。
途端にお会計が怖くなってきました(笑)

しかし、2杯目に醸し人九平次を頂いても、良心的な価格でした。

 

頂いた感想としては、握りの完成度が非常に高く、

今年伺った東京以外のお店ではトップレヴェルと言う印象です。

使用されているモノ、仕事、握りの技術を考慮すると、

コストパフォーマンスが非常に高い。

酒肴と握りのストーリー性も良く、頂くごとに楽しみになってくる構成です。

 

親方の握りはかなり速く、しかも4手ほどで精確に握られております。

そして、シャリのほどけ方、タネとの調和も目を瞠るものがある。

シャリは赤酢を用い、塩気を比較的強めに利かせつつ、酸味は控え目。

硬く炊き上げており、握りの技も相まって、口の中で華やかに弾けます。

当初、やや粘度が高いかな?と思いきや、その後すぐに安定し、

最後までシャリの状態が安定していた事も非常に素晴らしかったです。

 

施されている仕事は古い江戸前仕事を現代流にアレンジしていて、

鮨好きにとっては次世代の鮨の姿を感じさせてくれます。

漬ける、〆る、煮ると言った江戸前の仕事の完成度が高い事に加え、

物流が発達した現代ならではなタネも織り交ぜておられる。

その上で、ちぐはぐなストーリー性となっていないところが秀逸。

更に、煮ツメが濃厚である点、干瓢巻きを出す点などは

昨今の若手職人さんには無い魅力。

江戸前の本質を大切にされている感じました。

親方は酒肴の前に握りを一貫出される粋なスタイルを取っておられますが、

その自負に心から納得する、存在感のある握りだと感じました。

 

そして、握りのみならず酒肴も満足度が高い。

オーソドックスな構成ですが、一品一品に工夫があり、

完全に握り派!な自分でも頂いていて面白かった。

圧倒的なパワーを持つ素材であっても、仕事に抑制が利いており、

「やり過ぎ」や「素材自慢」に陥っていないところに好感を抱きました。

ちなみに、使用されている矢野直人氏の唐津焼もセンスが良いです。

 

全体を通して、艶美かつ硬派な鮨店と言う印象です。

 

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鮪トロ

一品目が握りと言うのは、非常に粋。

北海道・噴火湾の定置網に掛かった68kg。

魚体や季節を考えると圧巻の旨味で、今夏頂いた鮪としてはベスト。

しっかりした旨味、しつこくない軽やかな脂、爽やかな酸味は

夏の鮪の楽しみを伝えてくれる。

 

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福岡・志賀島(しかのしま)の蛸。

皮のトロトロ感が口腔を撫で、艶めかしい歯応えの後、

香りを残してほどけゆく。

良い蛸の仕事。

 

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雲丹とじゅんさい

雲丹は佐賀・唐津の赤雲丹で、じゅんさいは秋田。

雲丹はとにかく粒子が細かく、雑味及び苦味が皆無。

出汁を用いているが、鰹に抑制が利いており、素材を壊さない。

この出汁の使い方で親方の味覚が確かである事を実感。

 

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鯛と鰹

鯛は唐津、鰹は宮城・気仙沼。

鯛は甘みと香りが夏の鯛としてはしっかり。

玄界灘の魅力を感じさせてくれる。

鰹は鮮烈な香りと鉄のキレが良好。

共にクオリティが高く、単なる刺身ではない。

 

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胡麻鯖

三重・伊勢湾のゴマサバを使った胡麻鯖。

マサバとは異なる香りを楽しませ、脂のノリは良好。

バーナーで軽く炙り香りを付加し、出汁が利いたポン酢を用いる事で、

一般的な胡麻鯖とはちょっと違う個性を作り出している。

 

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クロマグロ

島根産。若い魚体で、いわゆる東京で言うメジ、関西で言うヨコワ。

クロマグロらしい酸味と旨味を楽しませつつ、

燻蒸香の付け加減、塩の振り加減が良い。

また、先のお造りでも感じたが、切り付けが肉厚でありながらバランスが良い。

厚みと味わいを両立させているのは、親方が魚味を把握されている為かと推察される。

厚く切ると旨味と香りの伝達の速度が変わり、

魚味を損ねる事もあるため、これには感服。

 

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オクラ

鮨店の酒肴に野菜を織り交ぜるのは、好きです。

銀座わたなべさんでも出されておりますが、良い箸休めになる。

オクラの甘みに柚子胡椒の辛味を加えており、爽やか。

 

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切り付けられた瞬間に、香りをバッチリ放つ。

唐津のものであるとの事だが、つく田の握りで頂いたものよりも数段上を行く。

旨味は非常に強く、火入れも抜群。

ねっとりしたゼラチン質がもの凄く、口腔のみならず唇も悦ぶ。

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肝は生のものを日本酒に漬けているのだろうか。

サラリと個性的。

 

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鰻の白焼き

噛んだ瞬間に旨味が突き抜け、ひたすら濃厚。

それでいて、泥っぽさは微塵も無く、端正な味わいの鰻。

身はとろけ、皮はパリッと弾ける、完成度の高い地焼き。

圧倒的な鰻だったので伺ったところ、博多湾・「ヨシカツさんの鰻」で、

ただ一人しか生息地を知らず獲れない鰻であるとの事。

この後、握りに移行しますが、握りに影響を及ぼさない素晴らしい鰻だった。

 

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ガリ

意外にも甘みがあり、食感はシャクシャク。

シャリとバランスを取る味付けだと感じる。

 

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ミズイカ

標準和名、アオリイカ。

極薄切りにした烏賊を束ねて握っており、甘くとろける。

酢橘の皮を間に噛ませているようで、香りが先行せずにセンスを感じる。

シャリとの相性も良好で、一貫目から笑顔になる。

 

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金目鯛

千葉・銚子。炙らずに生でバシッと圧倒的な脂を提示。

金目鯛は炙る職人さんが大半なので、強いこだわりを感じる。

旬ものの金目鯛は炙らずとも旨く、脂が滲まないので爽やかな印象。

 

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クロムツ

高知産。昆布〆にしているが、これは素晴らしい。

〆る事で魚本来の旨味と甘みを凝縮し、

それを解放した後に昆布由来のグルタミン酸がやって来る。

白身への昆布〆は非常に高度な仕事だと感じるが、昆布を御しており、秀逸。

 

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新子

静岡産。三枚漬け。

酢を利かせており、淡い香りを内に封じ込めている。

段々と強くなる旨味を楽しむのが、夏に鮨店に足を運ぶ魅力の一つ。

 

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鮪トロ

希少部位である小トロを漬けに。

酸味、香りのバランシングを図るための漬けの仕事で、シャリともバッチリ合致。

このバランスに長け、魚の魅力を封じ込める漬けにも驚嘆を覚えた。

 

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サゴシ

福岡・津島の鰆(サゴシは小さい鰆の通称)。

藁火で炙っており、燻蒸香が届いた後に、トロトロと身が溶け甘みが横溢する。

 

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アラ

筑前大島で揚がった6.8kg。標準和名、九絵。九州が誇る高級魚。

酢橘がやや強いのがマイナスであったが、甘みが強く力強い食感も魅力。

 

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なんと、北海道・根室産。

〆た後に軽く炙っているが、凄い仕事。

とにかく甘い!

香りは嫌味になっておらず円味を帯びており、余韻が非常に強い。

 

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赤カブ

 

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甘海老

海老味噌と和えた生の甘海老。

海老の甘みの後にシャリの酸味、その後に山葵がキリリと〆る。

山葵は他のタネに比べてやや多めに使っているようで、コントロールに妙を感じる。

 

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千葉・九十九里産。

シャクシャクした火入れで、煮ツメが濃厚。

伝統的な江戸前の濃い煮ツメは、昨今あまり使用されていないので、

若手職人さんが使われていると安堵を覚えます。

 

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雲丹

北海道・函館産のエゾバフンウニ。

唐津とは異なる香りが面白い。

この度の甘みは唐津が上を行った。

ちなみに、僕が写真を撮っているのを見ておられたため、

握る前に「溶けるので、私の手の上で撮ってください」とありがたいお言葉。

親方の心配りを感じました。

 

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穴子

福岡・津島産と、東京にいると食べられないであろう穴子。

九州のものだと対馬が主流なので…。

ふっくらと仕上げており、濃厚な煮ツメと相乗効果。

 

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干瓢巻き

山葵を一発でスーッと引かれ、見事。

干瓢はシャクシャクと力強い食感に仕上げ、甘みと醤油の塩梅は程良い。

 

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濃厚な魚介出汁の味噌汁で、具はアオサとスタンダード。

 

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玉子
芝海老を用いており、食感はみっちり且つしっとり。

大和芋の存在感が強く出た、個性のある味わい。

 

称賛連発の記事となりましたが、

日本における「江戸前鮨の未来」を考える上では、外せないお店だと感じました。

江戸前の技術を押さえた上で、

あくまでも鮨のカテゴリーの中でオリジナリティを発揮されている、

地方では突出した実力者。

個人的に、高松の鮨舳(すしとも)さんと並んでお気に入りとなりました。

 

店名:鮨さかい

シャリの特徴:赤酢を用い、塩気を利かせつつ、酸味は穏やか。硬さ、温度も抜群。

予算の目安:15,000円~20,000円

最寄駅:赤坂駅から800m

TEL:092-726-6289

住所:福岡県福岡市中央区赤坂3-13-31 朝日プラザ赤坂Ⅱ 1F

営業時間:月~金18:00~21:30、土・日・祝日17:00~、19:30~の二回転制

定休日:木曜(月1回水曜、木曜連休)

 

ご参考になりましたら幸いです!

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