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すしログ 〜The Encyclopedia of Sushi〜

寿司、鮨、鮓…スシに魅せられた男のブログ。鮨が大好きだ!と確信して以来、全国に及ぶ食べ歩きを行っております。江戸前鮨ではシャリの美味しさと仕事との調和を重視。鮨と密接な関係にある日本料理や郷土料理の名店も紹介。実は若輩者ですが向学心と感謝の念を忘れずに続けていきたいと思います。

すしログ No. 97 鮨菜 和喜智@札幌(北海道)

店鋪情報 北海道 札幌

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こちらはすし善にほど近い、円山公園にある鮨店です。

この瀟洒な一角は札幌の一大グルメエリアとなっております。

ご主人は東京の街場寿司の出身ですが、全国を熱心に食べ歩かれ、

個性あふれる鮨を作り出しておられます。

「自身の理想とする鮨まではまだまだ…」と謙遜されておりましたが、

既に唯一無二の仕事も幾つか生み出されております。

 

そして、着目すべきは仕事のセンス。

過剰なことはやらず、ギリギリのところで抑制されている印象を受けます。

それが奏功し、かなり上質なタネを入れておられますが、

損なうことなくタネを活かし、個性を表現する事に成功しております。

40代半ばで名声を高めておられるご主人。

これからの進化が楽しみです。

札幌で伺うべき鮨店は、こちらかと思います。

 

シャリは赤酢を二種類使用され、酸味が強く、エッジの利いたシャリです。

酸味を利かせつつ、砂糖も使用している為、尖り過ぎずにまとめておられ、

ハラリとほどける硬さ、粘度は非常に優れております。

米の香りも結構強いですが、嫌味にならずに一体化しております。

個性を出しつつバランスに長けた美味しいシャリです。

とは言え、試行錯誤されているそうなので、将来進化しているかもしれません。

 

なお、使用されている山葵も質が高く、静岡産の極太サイズ。

ガリも辛味を出した鋭い味付けで、その味付け故に途中で出されます。

この度の訪問時には縞鯵と帆立の間に出てきました。

 

蒸し鮑

函館産。包丁を入れた時に立ち込める香りこそ、鮑の魅力。

まさしく馥郁たる香りが鼻孔をくすぐり、食感を官能的に高められる。

火入れは絶妙で柔らかく、一口かじれば濃厚なゼラチン質と旨味に舌が惑わされる。

身に秘めた微かな苦みが美味しく、逆に肝は爽やかな味わい。

 

蝦夷バフン雲丹

利尻産。一粒が巨大で、香り、食感ともに申し分ない。

粒がしっかりと存在を主張し、舌を愛撫するように旨味がとろける。

 

真子鰈

函館産。面白い事に、肝ポン酢で頂く。

身はプリプリで甘みが走り、ポン酢の程よい酸味も上品。

肝を爽やかに食わす仕事。

 

ゴマサバ

淡路産。藁で炙り焼き。

皮下脂肪がもの凄く、今の時期の「鯖」として非常に魅力的。

とろっと脂が滲み、浅葱と生姜の使い方も抑制されており爽やか。

 

ツブ貝

肝ソース。食感、香りが非常に強く、余韻が長い。

 

キンキ味噌

兜の肉や骨まで使用した味噌。

塩分が控えめなのにお酒を進ませる、上品な酒肴。

甘みと香りがたっぷりで、かすなか骨の食感が気持ち良い。

 

キンキ焼物

皮はパリパリで。身はジューシー。

申し分ない火入れ。

 

この後、握りに移行します。

 

烏賊

鹿の子切り。ねっとりとした食感、甘みが非常に深い。

 

甘鯛

旨味が極めて強く、酢橘の使い方も巧い。

 

比較的珍しい、酢〆(≠酢洗い)。

酸味が香りと甘みを強調する、良い仕事。

 

トキシラズ

頂いて、その脂の質に驚く。

聞くところによると、3kgほどの魚体で、ほぼ鮭児との事。

皮目を軽く炙っているところにセンスを感じ、昆布で軽く〆ているところも白眉。

香り、甘み、食感の全てが揃った仕事。

 

縞鰺

10日熟成。口当たりが良く、香りも十分。

 

帆立海苔挟み

稚内産、海苔は愛知の青飛。

 

鮪トロ

三厩産。まろやかなコクがあり、香りよりも旨味が鮮烈な印象。

丁寧にタネの温度を戻されており、旨味の伝達、口どけに奏功。

 

北寄貝

炙り加減が非常に良い。腹まで届くような香りで、甘みも深い。

 

ホッカイシマエビ

かなりの上モノが入ったので生で、との事。

 

ブドウエビ

白眉。氷温熟成3日を経て、海老味噌で漬け込んだ卵と食す。

深い緑色の卵は見た目にも美しく、味わい的にはほぼ完璧。

「海老の新たな仕事」とも言える鮮烈な一貫。

 

じゅんさいを使用しており面白い。

出汁はやや強めの鰹で、積丹産の岩海苔が香しい。

 

穴子

神奈川産(小柴?)。煮ツメはさっぱり。

 

伊達巻き

甘エビを使用。

 

素材のクオリティのみならず感動的な仕事が多く、満足の一言です。

鮨店では珍しく日本酒が進んでしまい、計三合。

(二世古・純吟・彗星、大信州・純吟、山法師・純米大吟醸)

申し分ない食事となりましたが、お会計は22,150円。

お任せが15,850円との事なので、お酒は単純計算で1合2,100円でしょうか。

料理の満足度に比してお酒がややアンバランスな印象ですが、

北海道で頂いた鮨の中では一番美味しく、

他の料理店と比べても訪問する価値があると感じました。

 

店名:鮨菜 和喜智(すしさい わきち)

シャリの特長:赤酢を二種類ブレンドし、酸味を立たせつつ、砂糖も僅かに使用。

予算の目安:20,000円〜

最寄り駅:円山公園駅から153m

TEL: 011-640-3768
住所: 北海道札幌市中央区南二条西25-1-22
営業時間:18:00~20:00、20:00~22:00 ※完全2交代制

定休日:月曜

 

ご参考になりましたら幸いです!

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