すしログ 〜The Encyclopedia of Sushi〜

すべての鮨好きに送るブログ。日本料理、郷土料理、和菓子の名店も紹介!

鮨が10倍楽しくなる旬魚の世界 No. 2~春~タイ(真鯛)

旬の魚を語る当コーナー。

鮨店で使われる魚たちを順に紹介していきます!

 

真鯛

標準和名:マダイ(真鯛)

小鯛の別名:カスゴ(春子)

英語名:Red snapper (Tai)

旬:春もしくは冬に定評ある

真鯛

【コメント】

古代より神前の儀に用いられるなど、「めでたい」象徴とされてきた鯛。

一般的に秋から春まで(即ち夏以外)美味しく頂けるとされますが、

北と南で産卵期が異なるため旬も変わってきます。

人気が高い瀬戸内海(鳴門、明石など)の旬は3~4月(5月が産卵期)。

但し、釣り師によっては、淡路や明石のタイについて、

11月下旬~1月末のものがベストと言う意見も。

誰もが知っている白身魚の代表格ですが、油断のならない奥深い魚です。

カスゴについてはタイの稚魚なので、「旬」と言う概念に当てはまりません。

但し、個人的には美しいピンク色の皮から春を想起するため、

3月のまだ寒さの残る時期に出されると、桜を彷彿させ嬉しくなります。

マダイだけでなく、チダイ(血鯛)やキダイ(黄鯛=レンコダイ)などの稚魚も用いられます。

チダイは「若狭焼き」で有名で、キダイは「小鯛の笹漬け」で有名。

真鯛

【一般的な鮨の仕事】

・寝かせる(&熟成)

・塩を振り軽く脱水(〆)

・昆布〆

※いずれにせよ旨味を強くする事が目的。

※「寝かせ」とはサク取りしてから半日~2日ほど置いて、

 イノシン酸(旨味)を増幅させる事を指します。

 更に日を置く「熟成」は「寝かせ」を発展させた仕事。

 旨味が強くなる半面、香りと食感が低減していくため、

 香りと食感を巧く残し、旨味を最大化する事が熟成の要諦です。

※昆布〆については、昆布の香りが付着してはタイの魅力が霧消します。

 また、昆布の旨味成分であるグルタミン酸を過剰に付着させるのも無粋。

 あくまでもタイのイノシン酸を支える塩梅がよろしいかと思います。

真鯛

【鮨での賞味ポイント】

・旨味を引き出しているか

・旨味だけでなく、香りと食感があるかどうか

・皮目を用いているか、そこにどう包丁を入れているか

・柑橘の使用

※皮目を残す意義としては見た目の美しさ、食感、皮下脂肪を完全に残す

 と言った点が挙げられます。

 ただし、歯切れを良くするため、湯霜にして包丁を入れる事が前提。

 腕の立つ職人は皮下の旨味を残しつつ皮を引けるので、

 皮の有無は職人の好みに依拠し、どちらがベターと言う訳ではありません。

※東京でタイに柑橘を用いる事は少ないですが、関西では用いられる事があります。

 その際、酸味と香りがタイを邪魔していないかがポイントとなります。

真鯛

【プライドフィッシュ登録県】(カッコ内は旬)

徳島県(3~4月)、広島県(3~5月)、福岡県(4~7月)、

石川県(4~6月)、兵庫県(9~11月)、大阪府(11~3月)

愛媛県(養殖2~5月)、三重県(養殖10~2月)

※登録県が多いため、URLは割愛します。

※プライドフィッシュとは

http://pride-fish.jp/about/index.html

なお、「明石の鯛」は実に素晴らしい味わいだと思いますが、

それはイカナゴをエサにしているからだと言われます。

昨今、イカナゴが大変な不漁なので、マダイの味わいも気がかりです…

 

ちなみに、「〇〇タイ/〇〇ダイ」と付く魚は多いですが、

その大半は「あやかり鯛」と呼ばれるタイ科ではない魚。

ゆうに150種以上もいるそうです。

「あやかり」と言っても、決して味が悪いわけではありませんので、

別物として楽しむのが良いかと思います。

イシダイ(石鯛)やメイチダイ(目一鯛)などはとても美味しいです。

 

【掲載した写真のお店】

・日本橋蛎殻町すぎた(東京・淡路産)

・鮨猪股(埼玉・五島列島産)

・鮨舳(香川・地もの)

・小笹寿し(東京・産地不明)

・寿し おおはた(大阪・愛媛産)